
Piaggio
Vespaはモビリティ領域を超えて、ファッション、ライフスタイルブランドへ
Piaggio Groupはヨーロッパ最大のバイクメーカーであり、業界における世界的リーダーの一つとして位置付けられています。2022年、インターブランドはPiaggio Groupに対し、彼らの旗艦ブランドであるVespaに関するブランド価値を算出し、その背景について詳細な分析を行ったレポート結果を共有しました。分析結果によると、2021年のVespaのブランド価値は9億600万ユーロと算出され、Vespaが Piaggio Groupにとって最も重要な資産であることが、改めて明らかにしました。
「Vespaは単なるモビリティブランドではなく、アート、デザイン、テクノロジー、そして楽しさを象徴しています」とPiaggio Group ミケーレ・コラニーノ氏(戦略、製品、イノベーション担当取締役)は述べています。「Vespaはスタイルの象徴であり、その独自性により、人々から最も賞賛され、望まれるブランドの一つとなっています。」
Vespaはプレミアムなモビリティブランドであり、そしてファッションやライフスタイルのブランドでもあります。そのためその存在を把握し、価値を評価するためには、バイクブランドだけにとどまらず、他のカテゴリーのグローバル・ブランドとの競合調査を行う必要があります。そこで、Piaggio GroupはインターブランドにVespaブランドの経済的価値を分析することを依頼しましたが、これは最終的なゴールではなく、Piaggio GroupがVespaの未来を築き続けるための新たな出発点だったのです。
インターブランドの報告書にはVespaがデザイン、ライフスタイル、イタリアの伝統の完璧な組み合わせにより、ユニークで世界的に認められたブランドであると評価され、最終的にVespaのブランド価値は9億600万ユーロと算出されました。
インターブランドのマンフレディ・リッカ(グローバル・チーフ・ストラテジー・オフィサー)は、「Iconicという言葉は使い古されているかもしれませんが、このブランドを表現するには、最も的確な言葉であると言えます」と述べています。「Vespaは伝統的なブランドでありながら、常に進化を続けています。イタリアに深く根ざしながら、世界中で愛され、プレミアムでありながら、包括的です。インターブランドでの評価では、このブランドに対する欲求や需要を数値化するだけでなく、Vespa自体が、本質的にモビリティと文化の交差点にある1つのカテゴリーとして存在していることを示しています」。
インターブランドはVespaブランドの経済的価値を、これまで培ってきたブランドとしての資産、市場データ、定量的リサーチなどを基に、実績ある独自のブランド評価手法によって算出しました。
Vespaのブランド評価スコアの注目点としては、製品デザイン自体の独自性と認知度、そしてこのイタリアのアイコンとしての「遺産」とでも言うべき、その存在としての独自性です。また、顧客の好意的な感情を強化する、ブランドとして兼ね備えている魅力も、ブランド価値を引き出す上で重要な役割を担っています。このことは、Vespaがモビリティだけでなく、自己表現やエンターテインメントといった幅広い分野で活躍していることと大きく関係しています。
Vespaは、イタリアのエッセンスを最高の形で表現しています。その価値は、世界中の何百万人もの人々にインスピレーションを与えてきた、時代を超えたアイコンとしての象徴的な存在にあります。Vespaブランドは、機能的な製品ベネフィットを超えて、ライフスタイルと同義語になっており、お客様との重要な感情的なつながりの二重のベネフィットを提供するものとなっているのです。
2021年にVespa 75th Special Seriesの発売により75周年を迎えたVespaにとって、この年は1946年以来1,900万台以上が生産・販売された、名実ともにマイルストーンとなりました。またこの年はVespa 946 Christian Diorの発売のほか、ジャスティン・ビーバーとのコラボレーション、そしてVespaが映画のプロットと物語に不可欠なディズニー・ピクサー映画「ルカ」によって生み出されたグローバルな反響など、ブランド・エコシステムの拡大においても大きな成功を収めました。
9億600万ユーロというブランド価値は、この愛すべきイタリアのブランドにとって重要なマイルストーンであり、世界中のユーザーとの関係性を浮き彫りにしています。これは、イノベーションとグローバルなパートナーシップを通じて、新しい野心的な目標に向かって邁進するする、Vespaの長期計画の出発点でもあるのです。