
ソチオリンピック
ロシアが抱く明日の夢を
Sochi 2014:ロシア史の
ターニング・ポイント
を象徴するブランド
ロシアは、2007年夏にグアテマラで開催されたIOC総会で冬季オリンピックの開催権を獲得しました。ロシアでの冬季オリンピックの開催は史上初となります。この画期的なイベントは、黒海沿岸の都市ソチで開催されます。
ソチ冬季オリンピック組織委員会は、2010年2月に開催される第21回オリンピック冬季競技大会(バンクーバー大会)の世界中が注目する閉会式で、ロシアをアピールし世界に印象付けなければならないと考えました。この日、オリンピック旗がカナダからロシアへと引き渡され、ソチは冬季オリンピックの次期開催都市として正式に紹介されることになります。そこでロシアはこの閉会式で、斬新なオリンピック・ブランドを世界に向けて発表することにしました。
世界的にも開催国ロシアにとっても重要なイベントとなる冬季オリンピックをブランドとして伝えていくために、インターブランドは、欧州、アジア太平洋、北米の各地域に展開している12のオフィスに所属するプロフェッショナルで構成されるチームを結成しました。このチームの使命は、「ロシア」と「Sochi 2014」という2つを適切なバランスで表現するブランドの創造です。ブランディングにあたり、チームは3つの大胆な工夫を盛り込みました。「オリンピック(Olympic Games)」のロゴはなく、1968年のメキシコ大会で初めて使用されたマークのみが決められています。まず、このオリンピックのマークにロシアのインターネット・ドメイン「.ru」を配し、この大会の革新性とロシア全体とのつながりを強調しました。また、躍動感の表現や、2Dおよび3D、4Dへの拡張を視野に入れ、ロシアの伝統的な図柄を現代風に応用することによって、ブランドのビジュアル・アイデンティティをつくり出しました。
このマークは、「二面性」というブランド・アイディアを表しています。それは、欧州とアジア、大都市とシベリアの荒涼としたツンドラ地帯、ロシアの人々が持つ感情的な気質と知性、そして冷涼な気候と熱い魂というロシアに内在するさまざまな二面性を表しています。また、それと同時に、亜熱帯の海岸と雪をいただく山々に恵まれたソチという都市の二面性です。そして、これらすべての要素は「さあ、行こう!」という、行動を呼び起こすロシア語「ПОЕХАЛИ!(POEKHALI!)」に集約されています。
この言葉は、約50年前に人類初の有人宇宙飛行に挑んだユーリ・ガガーリンがロケットの発射時に発した言葉で、ソチ・オリンピックが持つ大きな力を象徴的に表すものです。プロジェクト・チームは、「ПОЕХАЛИ!」という言葉がふたたびロシア全体の団結への原動力となり、ロシア史上初の冬季オリンピックに新たなページを開くことを確信しています。