MaruhaNichiro - Japan Branding Awards - インターブランドジャパン

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総合食品企業として新たな領域へのチャレンジを目指し、マルハとニチロの統合10年を契機に企業ブランディングへの取り組みをスタート。トップの強いコミットメントの下、社員の一体感醸成及び、課題であった若年層へのブランド認知向上とイメージ構築を実践した活動

課題背景

2007年の経営統合から10年を経た状況下において、一定の社名認知はあるが、企業理念を具現化するブランドイメージが希薄であることが課題であった。多岐にわたる事業、製品サービスを通じた活動において、企業として何を目指し、どの様な価値提供を行うことが出来るかを明確にすることで、社員が自社の強みなどを同じ目線で語ることができるようにし、また、真の統合に向けた求心力となりうるブランドの力を必要とした。当時は部門毎に課題解決に向けたコミュニケーション活動を予定していたが、経営トップの強い意思として、開始当初から部門横断で取り組む全社活動とすることが決定した。

組織体制

当初は経営企画部、広報IR部、マーケティング部、それぞれの課題を抱える三つの部門が中心となってプロジェクトチームを発足し、次期中期経営計画の骨子として、目指すべき姿や、どの様な提供価値を全社でつくり上げるかの視点で活動を開始した。また、経営層とも定期的に意見交換を行い、進捗を確認する体制で臨んだ。その後、コーポレートコミュニケーション部が設立され、経営企画部と共に事案毎に連携を行う体制で活動を発展させた。同時に部門毎のブランド浸透のため、本社各部門に「ブランディング部署内実行委員」を選任し、継続した取り組みとするための仕組みづくりも併せて行った。

戦略・実行

経営層インタビューや、若手社員のワークショップ等を通じ、マルハニチログループ共通のコンセプトとして新しいブランドステートメント「海といのちの未来をつくる」を策定した。また、どの様なブランドイメージが望ましいかを検討し、目指すべき世界観を定め表現指針の策定も並行して行った。そして、取り組み自体の見える化と、社員の関与関心を高めるためにコンセプト立案中の段階から、説明キットを作成し、本社だけではなく、全国の支社や工場にも訪問して、対話型の説明会を実施。具体的な事業活動につながる取り組みとして、事業部門を巻込んだ新商品開発プロジェクトも並行して実施を行った。
この活動を継続的な活動とする為に社内外浸透のロードマップを作成、KPIを設定し、その成果を定量的にトラッキングした。コロナ禍においては、社内のさらなる一体感醸成を目的として「ウェブ社内報」を立ち上げた。顔の見えるコミュニケーションをテーマに多くの社員が登場し、経営層の飾らない様子が垣間見えるコンテンツにより社員をつなぐ仕組みも実施した。そのほか現在も社内横断のプロジェクトメンバーが中心となり、ブランディングアイディアを具現化するブランドアクション創出プロジェクトを継続して取り組んでいる。

活動の成果

社内においては当初設定したKPIに対して、「提供価値の理解度」など各指標が上昇。また、社外においては、「企業の考え方、姿勢などに共感できる」など各指標が上昇しているが、特に課題であった若年層にはブランドの目指す姿のイメージがしっかりと届いていることが数字にもあらわれている。またその他の影響として、新卒採用にも好影響が出ており、本活動の取り組み開始前後で志願者が1.5倍となった。社外の評価としては、新しいブランド表現がデザインアワードで数々の賞を受賞、特にREBRAND 100では最高賞であるBest of Awardを獲得という成果につながった。今回の活動がきっかけとなりコーポレートコミュニケーション部の新設を始め、よりブランディングを継続強化する組織改編が行われたことも、成果であると考えている。

ご担当者様コメント

ブランディングを推進していくことは、本当に大変であると感じている。経営トップ層が理解し、社員が頭で分かっていても、実行に際しては、色々と乗り越えなければいけないハードルがあり、都度擦り合わせを行うことで、全員が納得し進んでいくために努力をしているが、まだまだ社内浸透にも取り組んでいかないといけない。社長はブランディング=風土改革であると言っている。プロジェクトメンバーはこの会社に対しての期待、これからの可能性が秘められていると考えており、これから先は、ブランディング後に入社した若い世代も巻き込み「なぜこの会社を選んだのか」などを楽しく話し合える風土にしていきたい。

評価コメント

二つの企業の経営統合後10年間、本格的なブランディングを行っていないことも影響し、今後目指すべき姿、提供価値が希薄であり、社内外において様々な課題がる状況下において、10年の間に培われた旧態然とした組織や風土を変えていく、そのことに経営トップの意思で踏み出したことをまず評価したい。特に社員の意識改革、一体感の醸成に注力した活動から社外のブランドイメージ浸透へと活動を展開しており、その活動成果を定期的にトラッキングする仕組みを構築し、社内外両輪の活動を行なってきている点も併せて評価しました。今後担当者のコメントにあった「この会社には可能性が秘められている」の結実が、このブランドから近々生まれてくることを期待します。

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