カルピス - Japan Branding Awards - インターブランドジャパン

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ブランド資産の見直しと再定義を行い、合併に伴うブランドの継承を図るとともに、100周年を契機として「カルピス」が顧客により愛され続けることを目指した全社活動

課題背景

2016年のアサヒ飲料社とカルピス社の合併に伴い、カルピス社の企業ブランド「カルピス」と商品ブランド「カルピス」について体系の整理が必要であった。また、社内においては、それぞれの出身社員の間では「カルピス」ブランドに対する理解度や愛着に差があり、ブランド理解醸成も求められた。
2019年の100周年を契機に、これまでの価値を見直しながら未来に向けてさらに成長すべく、「カルピス」ブランドが顧客に愛されるロングセラーブランドであり続けるため、ブランド価値向上活動を全社一丸となり開始。

組織体制

「カルピス」を始めアサヒ飲料社の主要ブランドの管理・活用を目的に、常務執行役員を最高決定者とし、マーケティング本部および経営企画部を事務局とする「ブランド管理委員会」を設置し、委員会には12部門長が参加。

戦略・実行

ブランド管理委員会は、12部門長が参加する全社活動として、「ブランドを磨き、ブランドで挑む」という経営の意志のもと運営。その委員会を中心に、商品ブランド「カルピス」の位置付けを再定義し、ブランド管理基準書を作成。ブランド管理基準書の周知徹底については、ブランド管理委員会事務局が本社、研究所、全支社、全工場への説明会を実施し、意見交換を行う場を設けた。
また、2019年の「カルピス」ブランド100周年に向け、2018年に「カルピス」ブランド共通価値シンボルマークの文言を「乳酸菌と酵母、発酵がもつチカラ」にリニューアルし、周年ロゴとともにシンボルマークにおいてもマニュアル整備を実施。これまでの「乳酸菌」「酵母」の訴求に加え、「発酵」にフォーカスしたアプローチを展開し、発酵文化を広める活動として、「カルピス」と他の発酵食品の組合せ、日本各地の発酵食品との組合せにより「発酵」の魅力を伝える「『カルピス』発酵ブレンド」プロジェクトを立ち上げ、日本が誇る発酵食品文化を未来につなぐ活動を通じて“おいしくてカラダにもうれしい”飲料のパーセプション獲得を目指した。2019年10月には、「カルピス」みらいのミュージアムも開設予定。

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活動の成果

販売数量、利益額ともに、期間中においても順調に成長拡大。ブランド浸透度調査では、清涼飲料ブランド純粋想起で、2016年から2019年で2.3ポイント上昇。NPS(Net Promoter Score)についても2018年同期比で3.1ポイント上昇。また、アサヒ飲料全社をあげ「カルピス」100周年のインターナルブランディングを展開している結果として「カルピス」担当だけでなく、全社員が「カルピス」を語る機会や能動的に行動する創出したことで、販売数量・利益額ともに右肩上がりの成長を維持。

ご担当者様コメント

「カルピス」生みの親である三島海雲が、「カルピス」の本質は“おいしいこと”、“滋養になること”、“安心感のあること”、“経済的であること”、の4点であると言っており、それを社員も守り続けたことによって100年続くブランドとなったと考えている。100周年事業も、打ち上げ花火的な一過性の施策ではなく「カルピス」らしい継続的な視点から内容を検討したことなど、この先も長く愛されるブランドであり続けるために、「カルピス」誕生時から守り続けたことを全社員が大事にし、「カルピス」の価値を時代にあわせて顧客に伝えていけるよう、ブランディング活動を継続していきたい。そして、そうした姿勢が広くお客様にも伝わればと思う。

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評価コメント

ブランド管理基準書がロゴマニュアルに留まらず、ブランドの役割、「カルピス」のブランド力の源泉や歴史、定義や価値、ブランドを扱う側の責務にまで踏み込んでいます。また、ブランド管理委員会も12部門長が参加する横断的な全社活動となっている点も評価に値します。さらに、100周年事業として、日本の発酵食品文化を未来につなぐ活動などに展開するなど、周年と施策との繋がりにも高い納得性があります。
買収により新たに加わったブランドであるため、アサヒ飲料出身社員においては「カルピス」100周年と言われても自分事化が進みにくい点があるところを、様々な手法で全社を巻き込み、全社の活動としておりプロダクトのみならず、全社活動としてのブランディングであると高く評価します。

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