愛知東邦大学 - Japan Branding Awards - インターブランドジャパン

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教員や職員を巻き込んでブランドコンセプトを策定し、ビジュアルシステムなどのクリエイティブの整備に留まることなく「実態」の変革を伴った学内外の活動

課題背景

愛知東邦大学の学生数は約1,300人、教職員は合わせて80数名である。系列校を含めた東邦学園は96年の歴史を有するが、愛知東邦大学の知名度は必ずしも高いとはいえず、定員割れを起こす年度も度々あった。また、意識調査を行なった結果、教職員の満足度は高くなく、在学生の満足度は高いが他者推奨度は低いなど、大学関係者全体として自信や誇りが不足していることがわかった。こうした状況を変革し、入学志望者数を増大させるとともに、中京圏で独自の価値を有し、将来にわたってステークホルダーから選ばれる大学となることが必要とされていた。

組織体制

大学の理事会の下に常務理事、教授、若手職員、東邦高校職員からなる「ブランド推進委員会(以下委員会)」を設置。理事会と委員会は密に連携をしながらブランディングを推進するが、最終判断は委員会がイニシアチブを持ち行っている。また議決事項の決定は、多数決で行わない様にするなど、独自のルールを設けた運営を行なっている。

戦略・実行

まず現状把握を行うために、学内・競合・ステークホルダーに対し計3,000人以上に定性・定量的に調査を実施。併せて全教職員を対象にしたグループインタビュー形式の座談会を経て、ブランドコンセプトフレーズ「オンリーワンを、一人に、ひとつ。」を策定。そのコンセプトをもとに、「愛知東邦大学らしい」の表現指針のリバイスや、あるべき姿・イメージの精緻化を行った。
また、教職員の間で「愛知東邦大学らしさ」を突き詰めながらアイデアを出し合い、ブランドコンセプトを実現する施策の具体化を検討。その結果、「じぶんブランディングプログラム」、「自己プロデュース入試」、「東邦STEP」など、高校生が学びの意欲を高めてもらえる仕組みづくりの実現に至った。なかでも、高校生が自分の生き方を見つめ、自らのミッションを考えていくためのツールとして配布している「じぶんブランディング手帳」は好評を得ている。

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活動の成果

2019年の出願者は1,062人と例年の約2倍、入学者は411人と2年連続定員超となり、偏差値も上昇した。2019年度入試では大手予備校の私学大学偏差値の上昇率で愛知県内で2位となった。 当初ブランディングについて、必ずしも興味を示していたわけではなかった教職員も次第に大学のブランディングに関心をもつようになり、様々な場で「それは、『オンリーワンを、一人に、ひとつ』」か、あるいは「愛知東邦大学らしいか」といった、“らしさ”を確認する声が聞かれるようになった。

ご担当者様コメント

人口減少の中、地方・中小規模の大学は、学生の取り合いになっているのが実情だが、ブランディングの結果が見え始めることで学内教職員は自分たちの取り組みに自信が持てるようになってきています。大学内の教職員は、問題意識の高まりとともに、今後、名古屋の教育機関として、地域の知の拠点として、どの様に産業・企業・地域に貢献できるかを検討しています。
2023年に東邦学園が100周年を迎えるため、そのタイミングで東邦高等学校・愛知東邦大学のグループ総体として高い評判を獲得するための学園ブランディングを考えています。

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評価コメント

ブランドコンセプトの策定、ビジュアルシステムの整備に留まることなく、大学の実態としての変革を伴たブランディングであることと同時に、情報の共有、アイディアの公募、討議など学内教職員を巻き込んで施策を検討、展開し、学内の意識改革を伴ったブランディングが進められており、ブランディングの結果が見えてくることで教職員が自分たちの活動に自信を持つという好循環な活動となっている点を評価しました。
また、ブランディングに関する意思決定機関を、理事会とは異なる組織として設置し、かつ積極的な意見を出し、討議できるメンバーで構成した点も、ブランディングを進める上で有効だったと考えます。

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