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ブランドリーダーズ インタビュー

泉本 圭介

大和ハウス工業株式会社
経営管理本部 総合宣伝部長

※部署名・役職名は、Best Global Brands 2014インタビュー当時のものです。

大和ハウスグループでは近年M&Aが盛んです。グループの証である『エンドレスハート』を導入できることは、先方の経営者にとってプラスでしょうし、従業員にとっても、大和ハウスグループのもとで心をひとつにして頑張っていこう、という気持ちを持っていただけたら成功だと思います。

大和ハウスグループは創業50周年(2005年)を機にさらなる成長を目指す旗印として、グループシンボル「エンドレスハート」を導入しましたが、その後の成長には目覚ましいものがあります。エンドレスハートは大和ハウスグループにとってどのような意味があったのでしょうか。

グループ役職員全員をひとつにするシンボルができたことです。過去を尊重し、今の課題を見つけ、未来を全員でつくっていくということです。また大和ハウス工業とグループ会社が同じシンボルマークを導入できたことにより、グループが親子関係ではなく、フラットに構成ができ、新しいブランド体系でスタートできたことが良かったと思います。

創業100周年の2055年に10兆円企業になるという創業者の石橋信夫氏が残された大きな夢がありますが、そこに近づくためには、今後どういうことが必要だと思われますか。

国内では各事業が各地域においてシェアナンバーワンになることが求められます。海外はこれからが本格的なチャレンジになりますが、徐々に成果も出てきています。中国では、大連、蘇州、無錫、常州において分譲マンションや商業施設の開発プロジェクトに取り組む他、現地向けの工業化住宅開発のために合弁会社も設立しました。ベトナムやインドネシアでは、工業団地の開発を行っています。また、アメリカではテキサス州フォートワースにおいて、賃貸住宅開発を開始しました。昨年、海外で豊富な実績とネットワークをもつ (株)フジタがグループに加わったことで、今後さらに事業展開が加速するものと思います。

大成功した大和ハウスグループのブランド構築ですが、背景について詳しくお聞かせください。

大和ハウスグループが世の中からどういうイメージに見られているのか、現状とあるべき姿を提案書としてまとめました。その内容と経営トップの考えが一致したんです。経営課題として顕在化し、その後、部門の枠を越えた「コーポレートブランド委員会」が発足しました。そのなかで一番難しかったのは、社内の様々な意見を一つの方向にまとめ、明るい未来を拓くシンボルマークとメッセージを設計しなければならなかったことです。
そのためには、やはり命を懸けるというとちょっと大げさですが、責任は重たく、それに耐えうる信頼できるパートナーを選ぶことが大切だと感じました。結果、大和ハウスグループのビジョンを象徴化した「エンドレスハート」と、そのシンボルに込めた「共に創る。共に生きる。」のメッセージを開発しました。

大きなプロジェクトを動かすにはタイミングが重要です。

50周年のタイミングとグループ経営に移行するタイミングがうまく重なりました。チャンスは一瞬しかありません。その一瞬を掴み動けるかどうかが重要です。そのためには感性と時代の変化を読む力が必要だと思います。この感性というのは、デザインの感性のことではなく、広く社会や世の中の状況と経営者が何を考えているのかを、きちんと読んでおくことを意味しています。創業者の教えのひとつに「好機は一瞬にして去る」があります。このプロジェクトに関しては好機を逃さず最適なタイミングを掴めたと思います。

大和ハウスグループのブランド活動には皆さん強い関心をもっておられます。

当初は社内浸透活動に注力しました。支店や工場など100ヶ所近くある拠点をすべて回って「エンドレスハート」と「共に創る。共に生きる。」メッセージを直接説明しました。 同時にマニュアル(ガイドライン)の整備も行いました。オペレーターが使うためのマニュアルではなく、シンボルの考え方も含めてあるべきデザイン、つまり「エンドレスハート」がいつまでも社会で輝いていられるようなマニュアルを設計しました。
さらに、商標管理もブランド担当部門が行い、現在世界71カ国でエンドレスハート関連の商標を登録しています。最近では模倣対策が難しいですね。現地代理人と最適な対策を実施して、「エンドレスハート」の法的保護を確立しています。
コーポレートメッセージを社内外に届けるのも重要な使命です。具体的にはアニュアルレポート等、企業をデザインするツールの作成になりますが、特にアニュアルレポートはブランドブックとして位置づけています。これはアニュアルレポートを重視している欧米でも毎年高い評価を頂いています。アメリカで開催される世界最大規模のアニュアルレポートコンテスト「インターナショナルARCアワード」では、様々な部門評価がある中、2013年には経営者メッセージ部門で3回目の世界最優秀賞を受賞しました。こうした評価を頂いた結果現在では、ARCアワードの審査委員も拝命しております。

ブランドを強化するために、社外との連携やコラボレーションの必要性はあると思いますか。

ブランドの構築や強化は当事者であるわたしたちが主体であり、自らが確固たる考えのもとにやるべきだと思います。もちろん、信頼できるパートナーを選ぶことは重要です。

注目しているブランドはございますか。

GEです。創業精神を継承しながら、社会の変化を捉えた変革を重ねているところや、複合事業体として各事業がそれぞれの市場でトップシェアの実績を上げながら、GEブランドをグローバルに展開しているところなど、私たちの学ぶべき点が多くあると思っています。また、アップルにも注目しています。ウィンドウズ全盛期においては四面楚歌の状態でしたが、先を見ながらすべてつながっているプロダクトを展開できたのはカリスマ経営者であるスティーブ・ジョブズがいたからでしょう。

最後に大和ハウスグループのブランド活動が社内外に与える影響について、お聞かせください。

大和ハウスグループでは近年M&Aが盛んです。グループの証である「エンドレスハート」を導入できることは、先方の経営者にとってプラスでしょうし、従業員にとっても、大和ハウスグループのもとで心をひとつにして頑張っていこう、という気持ちを持っていただけたら成功だと思います。

泉本 圭介

泉本 圭介
大和ハウス工業株式会社
経営管理本部 総合宣伝部長