Sumitomo Life 住友生命保険相互会社 常務 香山 真 様 | インターブランドジャパン

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Sumitomo Life

香山 真 様

住友生命保険相互会社 常務

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

弊社では、2011年からブランド戦略を経営戦略の中心に位置づけてきました。現在は「Well-beingに貢献する会社」としてトップランナーをめざすべく、ブランドコミュニケーション部が孤軍奮闘するのではなく、様々な部署を巻き込んで、ブランド力=会社の価値を高める活動に取り組んでいます。
社長もブランド力の向上が経営の根幹であると考えており、自らイントラネットで毎週発信するほか、さまざまな場面で会社の方向性を社員に語り掛ける機会を設けています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

Well-beingの領域で弊社が創出できる価値は「健康寿命の延伸」であり、これは社会の要請でもあると考えています。主力商品である健康増進型保険“住友生命「Vitality」”の特徴は、行動経済学に基づき、顧客の行動変容を促すことです。Vitalityに加入された方は、運動や健康診断など健康増進活動を続けていただいており、社員もその活動を後押しすべく取り組んでいます。嬉しいことに、Vitalityに加入された方の健康診断数値が改善され(例えば、加入時の血圧値(収縮期血圧)が 140mmHg 以上 160 mmHg 未満の方のうち、10mmHg 以上減少している方は 半数以上)、8割が「生活の質が高まった」というデータもあります。
さらに、同じ価値を共有する様々なビジネスパートナーと共にエコシステムを創出すべく、地域や行政と共に、Vitalityを活用した住民参加型の健康増進プログラムも展開中です。
また、生命保険だけでできることには限界があるので、多様な企業を繋いでWell-being実現のためのサービスを提供する仕組みWaaS(Well-being as a Service)を構築しようと考えています。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

Vitalityによって蓄積された日々の運動量や健診結果などのデータを活用することで、顧客一人ひとりに最適な助言をしていくなど、Well-beingという新たな価値提供につなげていきたいと考えています。
このほか、スタートアップ企業とのオープンイノベーションを加速するため、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じたスタートアップへの投資等も進めている。
これらを通じて、Vitalityを中核に、Well-beingに貢献する様々なサービスのネットワークとしてWaaS(Well-being as a Service)を実現することで、ユーザーを増やしエコシステムを広げたいと考えています。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

お客様や社会のWell-beingと社員のWell-beingは好循環するという考え方を社員に浸透させるよう、働きかけています。Vitalityに加入されたお客様から「あなたのおかげで健康になってきた」と言われることは、社員のやりがいに繋がり、さらにお客様のWell-beingへと循環する行動を喚起します。
そうした組織文化をつくっていくために、部門横断のプロジェクトチームを作りました。 各部門が情報を共有し、協働できる領域では積極的に協働する枠組を構築して、PDCAを回しています。ここまで来るのに1年かかりましたが、ミーティングの回数を重ねるごとに足並みが揃ってきました。
なお、PDCA の指標としては、NPSやエンゲージメントスコアなど結果を表す指標のみならず、プロセスを評価する指標も設定しています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

次年度から新たな中期経営計画がスタートしますが、全社共通の目標として2030年ありたい姿を定めて、そこからのバックキャストで、以下のような取組みを進めていきたいと考えています。
①営業職員=Well-beingを提供/デザインする存在へと進化を図っていく。
②他企業と連携して新たな領域におけるWell-beingをイノベートしていく。
③グループとしてのシナジー効果を生かしたWell-beingとサステナビリティに貢献するブランドを構築する。
これらの取り組みの推進エンジンとなるのが「人」とVitalityのビッグデータをはじめとした「データ」です。とくに人材育成については、社長自ら人財共育本部長を務めて、その取組みをリードしています。

Brand Value Chart

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