Recruit株式会社リクルートスタッフ統括本部 広報・サスティナビリティコーポレートコミュニケーション企画統括室 室長 川村 美貴 様 | インターブランドジャパン

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Recruit

川村 美貴 様

株式会社リクルート
スタッフ統括本部 広報・サスティナビリティ
コーポレートコミュニケーション企画統括室 室長

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

リクルートにとってコーポレートブランドは、ブランド理念であるビジョン・ミッション・バリューズ(以下VMV)とイコールであり、企業文化そのものです。 リクルートホールディングスを中心とするリクルートグループオールでは、いくつかのM&Aを経て、国内1 .7万人、グローバルで5万人を擁する規模になっています。一方で、2021年に国内リクルートグループを統合し、ブランディングについては人事と連携した活動を強化しています。なぜなら、企業文化と人事制度は密接な関係があると考えているからです。 その背景には、バリューズの一つとしている「個の尊重」があります。わたしたちにとって、個人の想いや好奇心は会社を発展させる源泉です。その考え方が一貫していることが、企業規模が拡大しても組織が硬直化したり縦割りの弊害に陥ることなく、コミュニケーションが活性化し続けている秘訣かもしれません。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

コーポレートのVMVを体現するのが商品・サービスブランドです。リクルートの商品・サービスブランドは今や数百に及びますが、それぞれが個々に、「まだ、ここにない、出会い。」という企業ミッションに根ざしたミッションを定め、サービスを進化させ続けています。 そのなかで近年注力しているのは、重要なカスタマーである未来を創る若者にリクルートのサービスを体験していただこうという取り組みです。 日本におよそ5,000校ある高等学校のうち、約2,000校以上に導入されているスタディサプリはその取り組みを体現するサービスです。2021年度から、高校生向けアントレプレナーシップ・プログラム「高校生Ring」を試験的にスタートさせましたが、2022年度はより参加校も広がり、高校の授業の中で取り組んでいただいています。 このように、リクルートでは、コーポレートのVMVを体現するサービス・事業と連携してリクルートサービスにおけるポジティブな体験者を増やす取り組みに注力しています。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

リクルートの中核領域はHRとSaaSを通じた業務支援事業などにありますが、このどちらも、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現してきたものだと自負しています。そして、お届けするサービスの内容は、持続可能で豊かな社会に貢献するために日々進化しています。 まずHRの分野においてはリクルートホールディングスが、2030年までに就業にかかる期間を半分にするという目標を立て、グループ全体で実現に向かって走り始めています。いま世界では、3カ月収入がない状態が続くと約40%の人が貧困に陥るというデータがあります。求職者と仕事のマッチングを速くすることは、わたしたちにできる社会との関係構築のひとつでしょう。 SaaS の代表であるAirビジネスツールズも、業務効率化によって空いた時間をより本業に注力していただくことを価値に置いています。サービスをどんどん進化させることで、日本の、特に中小企業の生産性向上に貢献し続けたいと考えています。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

最も大切なのは、「個の尊重」がいかに根付いているか。なぜなら、そこにイノベーションの芽があるからです。創業から60年、リクルートは何度か大きな試練に直面してきましたが、「個の尊重」は、その試練も時代も超えて大切にされてきた経営の原理原則です。 社員は半期に一度、キャリアプラン策定にあたってのフレームワークである「Will Can Must」について、上長と1to1で面談する機会があります。そこで、ぼんやりとしていた自分のキャリアプランが確かな輪郭をまとい、浮かび上がってきた個の想いや好奇心をビジネスにしていくのがわたしたちの理想です。 「個の尊重」は、M&Aにおいても変わることはありません。相手の文化を尊重した上で経営に入っているから、お互いの強みが活かせる関係が構築できているのだと考えています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

テクノロジーは手段に過ぎませんが、そのチカラでマッチングのスピードを加速させることで、世の中がアッと驚くような価値を創造し続け、仕掛けていきます。先にお話しした「高校生Ring」もさらに拡充させ、未来に向かう若者の信頼も築いていきたいですね。 そうした取り組みの軸になるのが、まさに「まだ、ここにない、出会い。」というリクルートのミッションなのです。

Brand Value Chart

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