貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?
楽天グループは、金融から通信まで70を超える多様な事業で「楽天経済圏」を構築していますが、その中でRakutenブランドとは何かを伝えるために、マーケティング部門にブランディング統括部門を置き、全事業ブランドの統括・サポートを日常的に行っています。また、各事業のマーケティング部門メンバーとCMOマンスリーミーティングを通じて網羅的に情報共有を行うことで、ブランド活動を実践しています。
展開しているサービスが非常に幅広く、チャネルやユーザーも多様な中で、各事業の個性を担保しながら、使い勝手や体験において統一感のあるRakutenらしさを伝える“Unique yet unified”の実現がブランディングの課題となっています。
UniqueはRakutenの根幹です。楽天市場は“Shopping is entertainment” をコンセプトに、効率よく買い物をするためのベンディングマシンではなく、お店や作り手の想いを商品と共に届けるストーリーテラーとなり、それらをサポートするプラットフォームになりたいという想いで始まりました。Rakutenのミッションは「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」こと。今後も楽天経済圏というエコシステムをさらに強化していきますが、その核となる事業も、ユーザーの獲得や成長戦略も時代に応じて変化していく中で、各サービスのユーザー分析を通じて、顧客のロイヤルカスタマー化を目指します。
最終的にRakutenが目指すのは「Conglomerate-premium」。さまざまな事業を持っていることが大きな価値を生み出すことに繋がると考えています。Rakuten独自のフィロソフィーを軸に、各事業を横断するブランディング統括部門があることで、一つの事業での成功体験を他の事業に横展開することができます。また、事業を超えてデータを共有することで、各事業の戦略構築、ひいてはグループ全体の戦略構築に貢献しています。