NTT DATA株式会社NTTデータ執行役員 グローバルマーケティング本部長ロブ・ラスムッセン 様 | インターブランドジャパン

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NTT DATA

ロブ・ラスムッセン 様

株式会社NTTデータ
執行役員 グローバルマーケティング本部長

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

NTTデータの前身は日本電信電話公社(NTT)内に設立された「データ通信本部」で、35年前の1988年に分社独立しました。以来、日本国内はもとより、海外においても事業を拡大してきました。日本国内で圧倒的なシェアを誇る当社は、分社化当初、海外でNTT DATAブランドを確立するための投資が必要だとは考えてきていませんでした。しかし現在では海外での売上が日本国内を上回っているため、海外でのブランド確立に向けた投資を大幅に増やしています。海外でNTT DATAブランドを確立し、日本国内と同じように象徴的な存在になるためには、時間と集中、資金が必要です。私たち日本の経営陣は、これらの必要性と重要性を十分に認識し、マーケティングとブランディングに投資を続けています。このような海外事業のダイナミクスを理解し遂行する上で、これ以上の日本のリーダーシップチームはないと思っています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

日本文化特有の利点は、社員一人ひとりのライフスタイルにあった働きやすさにとても気を遣っていることです。パンデミック時にどれだけ社員を大切にしたかが、パンデミック後の人財確保や新規採用に大きく影響したと思います。当社の離職者数は、競合他社と比較すると低い水準にあります。社員は、この会社は信頼できる、日本の会社は自分たちのことをよく考えてくれている、と感じたのでしょう。そして、会社と感情面でもつながっていると社員が感じている文化は、お客様との関係性にも反映されていると思います。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

日本において「ITコンサルティング」は、最近注目されている概念です。NTT DATA というブランドは日本ではよく知られていますが、ITコンサルティングやデジタルトランスフォーメーションという分野との結びつきは、それほど強い印象が根付いているわけではありません。私たちは、この2つの分野で高度な専門性を構築するために投資を続けていますが、そのメッセージを、市場や、既存および将来のお客様、そして社員に伝えることに、これまで十分に注力してきませんでした。既存のお客様の多くは、私たちが長年にわたって行ってきたこと、たとえば高度なアプリケーション開発や管理能力といった観点から私たちを見ています。日本では、ITコンサルティングやデジタルトランスフォーメーションなど、サービスや能力の面で当社の現在の状況をよりよく反映させるため、ブランドイメージを刷新するさまざまな活動を計画しています。現在、日本ではITシステムの合理化によるコスト削減が焦点となっています。これによって、企業はより俊敏になり、変化する市場に素早く適応できるようになります。日本では、IT システムの合理化を通じてコストを削減する能力は、欧米企業の方が日本企業よりも優れているという見方もあるようです。 NTT DATAは海外の知見も豊富となり、ITシステムの合理化に関する豊富な経験と能力を持っています。そこで、私たちは日本でのブランドを刷新し、日本市場においても、私たちがこの分野で海外ITサービスプロバイダーと同等の能力があることを知ってもらわなければなりません。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

ブランドを浸透させる最良の方法は、国全体を対象に行うことです。既存のお客様や将来のお客様だけでなく、その会社で働きたいと考えている将来の社員や地域社会、大学など、あらゆるものを対象とします。私たちは、技術的な先見性という点においてはすでに十分な成果を上げています。しかし、私たちが取引する既存のお客様や将来のお客様の多くは、業種に特化した方々です。ですから、銀行や保険、金融、公共、小売などの業種において私たちがどのようなリーダーシップを発揮しているのか、その資格や評判を周知するため、ブランドを高めることにも同様に力を入れています。日本では、私たちはほとんどの業種で1位か2位を占めています。ただ、それを売り込むことはしません。日本人は自慢をしたがらないのです。しかし、私たちはもう少し誇らしげになる必要があります。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

日本での活動を活発化させ、日本でのブランドを刷新することが第一だと考えています。日本でのブランド力を高めるということではありません。すでに非常に強力なブランドだからです。ただ、ITコンサルティングやデジタルトランスフォーメーションといった分野での私たちの能力と成功を紹介し、ITコンサルティングやトランスフォーメーションともっと強く関連づけられるようにしたいのです。これは私たちにとって本当に重要なことです。そして、できれば経営陣がもっと表に出てくるようにしたいですね。日本市場において、私たちのエグゼクティブがさらに注目を浴びる必要があると思っています。

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