NEC日本電気株式会社コーポレート・エグゼクティブ 勝沼 潤 様 | インターブランドジャパン

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NEC

勝沼 潤 様

日本電気株式会社
コーポレート・エグゼクティブ

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

NECは、1899年の創業以来、120年以上にわたってテクノロジーを軸に世の中のミッションクリティカルを支え続けています。現在は、会社の方向性を「社会価値創造型企業」と定め、生体認証、AI、5Gなどグローバルトップレベルの技術を基に、国内外の幅広い領域で事業を展開するグローバルテックカンパニーです。
ブランドはすべての企業活動を通じて構築されます。幅広い事業展開をしているNECだからこそ、経営の根幹にブランドを位置づけることが大事です。そのため、今年度からブランディング&メッセージング機能を経営企画部門に位置付け、各コーポレート部門、事業部門、マーケティング部門と連携して、ブランドのさらなる強化を進めています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

テクノロジーを活用して実現したい未来像を世界に先んじて提示すること。それに対する共感を集めることで、単独では実現できない部分を補いあえる仲間をつくること。新たな社会価値の実現には、これらの活動が大事です。そのためNECでは、実現したい未来像を、生活者を取り巻く環境・社会・暮らしの3つの階層で捉えた「NEC 2030VISION」としてまとめ、ステークホルダーの皆様との社会実装をリードする「Thought Leadership活動」を進めています。さらにこの活動の起点となる、グループ内の独立シンクタンクである国際社会経済研究所(IISE)を大幅に強化し、リブランディングを行っています。
また、中期経営計画の達成に向けて、今NECが何を大切にするべきかを示すために、CEOメッセージ「Truly Open, Truly Trusted」を掲げました。オープンイノベーションの加速と、真にオープンなエコシステムをリードすること。そして技術を正しいことに使うこと。このようなNECの姿勢を社内外に伝える取り組みを行っています。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

2025中期経営計画では、成長事業領域とベース事業領域を定義しました。ベース事業では費用効率を上げつつ短期利益の最適化を図り、成長事業は次の柱となる事業として長期利益の最大化を図ることで経済的成長が期待できると考えています。
B2Bというのは、じつはB2B2Cです。やはり最終的に人を向いていないと事業は成り立ちません。NEC 2030VISIONも生活者起点で考えてみるところからスタートしました。新たな顧客を獲得するためには、技術を顧客価値に転換し、新たな事業を創造することが肝要です。NECはヘルスケア・ライフサイエンス事業、最先端のAI技術を活用した創薬事業、エネルギーマネジメントの効率化などのグリーン事業など新しい領域へチャレンジしています。ベース事業の堅実な推進に加え、未来を見据えた新たな事業探索を続けるイノベーティブな企業として、ブランドの成長に繋げていきたいと考えています。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

企業の成長を加速していくためには、高いモチベーションをもった多様な人材が必要です。NECは、2020年にグループ共通の価値観をNEC Way(パーパス、プリンシプル、行動基準、行動規範)改定により整理しました。個々人が進むべきベクトルMy Wayと会社のベクトルNEC Wayがそろっている状態になると、エンゲージメントが高まっていき、企業の成長、ブランドの成長に繋がっていくと思います。
ブランドに基づくカルチャーづくりについては、人事総務部門にカルチャー変革部を設置。ブランディング&メッセージング機能と密に連携しながら、人事制度改革も含めてNEC Wayの進化浸透、インフラの整備、また、社員の働きがいの向上に向けた取り組みを進めています。多様性を発揮してイノベーションを追求していく会社を目指して、更に活動を進めていきたいと思っています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

特別な活動よりも、基本的な取り組みをしっかり実行し続けていくことが大事だと思っています。インターナルブランディング、エクスターナルブランディングの強化、グローバルでの存在感を高めるための活動も進めていきます。
CEOメッセージを中心に、NECという企業の姿勢を様々なタッチポイントを通じて内外にしっかりと打ち出していくこと、それらを通じて、NECのアイデンティティを感じていただき、ブランド価値の向上、企業価値の向上に繋げていきたいと思います。

Brand Value Chart

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