MS&ADMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社執行役員 経営企画部長 大和田 博義 様 | インターブランドジャパン

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大和田 博義 様

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インシュアランス グループ ホールディングス株式会社 執行役員 経営企画部長

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

MS&ADグループは、国内に、損害保険会社3社、生命保険会社2社を保有するユニークな存在となっていますが、それはより幅広いニーズを汲み取って、価値が多様化する社会に貢献するためです。事業会社それぞれに個性があり、多様なニーズに応えられるという特長があります。
その根底にある大きな概念が、「グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支える」というMS&ADの経営理念(ミッション)と5つの行動指針(バリュー:「お客さま第一」、「誠実」、「チームワーク」、「革新」、「プロフェショナリズム」)です。この理念の実現に向けて、事業会社それぞれが役割を果たしていくことを目標としています。
2022年度からスタートした中期経営計画では、「リスクソリューションのプラットフォーマー」をブランドコアとして、事業会社間の連携を強化し、グループ一体で世の中に貢献していく「1プラットフォーム戦略」を打ち出しました。経営統合から約10年となりますが、MS&ADブランドが活きる機会が、ますます増えていくと思っています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

社会の変化に伴いリスクは多様化し、弊社グループに求められる役割も拡大しています。グループがつながることによって、個社だけでは成し遂げられなかったさらなる信頼・信用を、より高いレベルでお客さまにお届けすべく、例えば、損害保険のお客さまに生命保険を紹介する併売取組みなどにも着手しています。
昨年秋には、自然資本・気候変動分野でSMBCグループと連携協定を結びました。社会課題の解決のために、グループの枠を越えたアライアンスも拡大していきます。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

お客さまは、もともと業界やセクターなどに縛られていません。日常的なショッピングも、ビデオや音楽鑑賞もすべてワンストップで楽しめるサービスを利用することに、何ら違和感はないでしょう。
弊社グループも、あらゆるセクターを横断して、安心・安全、リスクの低減を実現し、健やかな未来に向けてお客さまの生活を守ることを考えていくべき存在です。事業の中心である保険、すなわち損失に対する「補償/保障」の前後、予防や減災、早期回復などの領域にも事業を拡大することで、お客さまの安心をより確かなものとし、事業の拡大も狙います。
損害保険業界で、私たちがはじめて提供したレッカーサービスが、今では損害保険業界のスタンダードなサービスになったように、かゆいところに手が届くサービスをいち早くお届けしていく。そこに協業や提携も加えて、どんどん新しいことをやっていきます。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

MS&ADグループの連携が新しいシナジーを生み出せるよう、個の強みは残しつつグループ一体となった取組みを増やしています。スポーツを通じて健康で幸せな地域社会づくりを目指すイベント「晴れスポ」や、海外のグループ会社も巻き込んでグローバルに実施している「サステナビリティコンテスト」も、そのひとつ。今年はインドの子会社の取組みが最優秀賞を受賞しました。
研修にも力を入れており、若手の研修では「目の前の仕事がミッションにつながっているかどうかを想像し、妄想すること」が大事だと、繰り返し話しています。また、年に一度実施している全社員アンケートでは、ブランドに対する認識を確認しています。更に高めるべく取組みは続けていきますが、徐々に認識が高まっていることを実感しています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

企業として積み重ねてきたものから生まれる『信頼』こそ、ブランドだと思います。いいイメージを創ったところで、事実や実態が伴わないと、すぐに化けの皮は剥がれますから、地道に続けていくことが大切だと考えています。
一方で、サイバーリスクや自然災害のリスクが高まり、社会が地殻変動を起こしている時代の要請に応え、真っ先にそのリスクに応えていくためにはスピードも大切です。DXを活かしつつ、社会課題の解決と事業を両立させるためにグループのシナジーを発揮していく。そうやってMS&ADに価値が蓄積される活動を積み重ねていきます。

Brand Value Chart

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