Mazdaマツダ株式会社取締役専務執行役員 青山 裕大 様 | インターブランドジャパン

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Mazda

青山 裕大 様

マツダ株式会社
取締役専務執行役員

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

ブランドは“企業の生きざま”であり、全社活動の結果として創出されるものです。
2013年にブランド価値経営をキックオフ、2015年にコーポレートビジョンを改訂し、「人生の輝きを提供」することを宣言。この 10年で社員の意識が大きく変わりました。開発の目標は、競合とのスペック比較から「顧客の人生の輝きをいかに創り出すか」にシフトしています。環境や安全への配慮はもちろん必要ですが、ネガティブな要素をゼロにするだけでなく、「人生の輝き」をプラスすることが大事だと思っています。
当初ブランドについて議論を重ねたメンバーが、今では経営の中核として各拠点で活動していますが、世代を超え、新陳代謝を経てもブランドを受け継ぐ仕組みを作るために、昨年、グローバルの次世代メンバーで新たなパーパス「Uplift life-in-motion」を決めました。旧世代にとって「人生の輝き」は自己実現でしたが、次世代にとっては社会貢献や利他的な活動、コミュニティにおける成功です。時代に合わせて進化した新しいパーパスをこれからの活動に落とし込んでいきます。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

かつては企業が提案する高性能のハードウェアが主役でしたが、今は人々の生活やコミュニティが主役で、そこに溶け込んでいないモノには価値がありません。にもかかわらず、自動車業界はEVや自動運転に向けたビジネスモデルへの転換の途上にあり、人々の生活に溶け込む取り組みは99%できていません。
これからはクルマを売った後の顧客との付き合い方を重視して、快適な状態を保証する、機能をアップグレードするなど、体験的価値に対価を払っていただけるようにビジネスモデルをシフトしていかなければならないと思っています。
クルマ自体の価値だけではなく、行き先での体験やクルマを通じたコミュニティなど、クルマがあるからできる体験の提供に取り組んでいこうと考えています。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

クルマを売る会社から「人生の輝き」を提供する会社にシフトするために、ディーラーを通じて新車を販売し収益を上げるビジネスモデルからの転換を考えていかなければなりません。すでにやるべき活動、固定費、リソースは見えていますが、2030年までに実現するために、待ったなしで取り組む必要があります。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

社員自身がパーパスにつながる経路の実体験が得にくい中で、お客様に会い、お客様の生活の中でどんな貢献ができているかを実感して、モチベーションアップに繋げる仕組みが重要です。
例えばロードスターのファンクラブは、ハードウェアだけではなく情緒的価値を提供していることを実感させてくれます。ローカルコミュニティで地元の人たちと交流する機会や、クルマをサーブしている方たちと直接会って実際にどんな貢献をしているのかを実感できる活動を、会社として提供していきたいと考えています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

クルマを媒介にした価値をお客様と一緒に創れる仕組みづくりを考えています。最終的にはお客様一人ひとりにカスタマイズした多様なハードウェア、ソフトウェアを提供したい。
EVにおける差別化は難しいと言われていますが、Mazdaでしかできない体験を提供することで、お客様のLifeに根付いた価値をリードしていきます。

Brand Value Chart

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