Daikinダイキン工業株式会社 総務部 部長 広告宣伝グループ長 片山 義丈 様 | インターブランドジャパン

20

Daikin

片山 義丈 様

ダイキン工業株式会社
総務部 部長 広告宣伝グループ長

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

経営理念と中期経営戦略を基盤においたブランドづくりを進めているのが、ダイキンの特徴だと思っています。
エアコンで快適な生活を実現しながら、環境負荷を下げていく。そんな社会課題や市場の変化に対応しながら、どこでどうやって売上利益を出すかという経営計画に基づいて、「空気で答えを出す会社」というブランドができあがっています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

かつて空気はタダであり、その価値が認識されることはありませんでしたが、コロナの影響で「空気による社会課題の解決」が認識されるようになりました。
ダイキンは2018年12月に東京大学と共に「ダイキン東大ラボ」を創設し、10年計画で「空気の価値化」による社会課題解決に向けた協創プログラムに取り組んでいます。経営トップ主導により、従来の産学連携とは桁違いの100億円を拠出し、社員10人以上が常駐するプロジェクトです。
「Cooling for All」~全世界への空調の基本価値普及
「Beyond Cooling」~well-beingに貢献する空気・空間の創造
「Air as a Social Common Capital」~社会的共通資本としての空気を守り育てる
以上の3つのコンセプトに基づき、言わば地球全体の空気のあるべき姿を考えながら、新たな技術開発と普及に取り組んでいきます。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

ダイキンは空調の会社から「空気の会社」になっていこうとしています。空調の会社の競合は空調メーカーですが、「空気の会社」として、たとえば“ゆっくり眠れる空気”をつくろうとするなら、ベッドや照明も意識しなければなりません。
それとは別に、ロシアのウクライナ侵攻により、ヨーロッパでガス・石油が高騰したことで新たな顧客とのつながりが生まれてきました。従来は空気をすぐに温められる燃焼暖房のほうが強かったのが、電力さえあれば温められ、カーボンニュートラルの観点からもプラスであるヒートポンプ暖房のニーズが高まっています。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

弊社では、ブランドが中期経営計画や事業戦略と密接につながっているので、達成状況を追いかけやすい。そして、そのことがブランドを成長させるアクションにつながっていきます。つまり、目標の数値を達成するためには、必然的に意味ある行動を起こすことになっているのです。
また、社員エンゲージメントを高める要素も、グループ経営理念に織り込まれています。人を大切にすることや、会社のミッションを達成することが自分の幸せにつながることを、グループ経営理念で謳っています。22年11月に本社を移転し、ミーティングスペースを増やし、美味しい社員食堂など、社員が自ら出社したくなるオフィス環境を整備しました。膝と膝を突き合わせて議論したり、同じ釜の飯を食べたり、社員同士がよりつながりやすく、働きやすい環境ができたことで、社員のモチベーションも上がっています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

「ダイキン東大ラボ」が打ち出した3つのコンセプト「Cooling for All」「Beyond Cooling」「Air for Common good」の具現化を加速し、社会に実装していくことが、事業の成長ひいてはブランドの成長につながり、「空気の会社」としてのダイキンの存在がさらに認識されていくと考えています。
当面はヒートポンプ暖房を含めた「Cooling for All」で利益を上げつつ、先々を見据え、まず研究開発領域でBeyond CoolingやAir for Common good を形にしていこうという段階です。

Brand Value Chart

一覧に戻る

Best Japan Brands 2023 Insight
Best Japan
Brands 2023
Insight
Brand Leader’s Interview​
Best Japan ​Brands
2023​ Interview​​