貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?
ブラザーにとって、ブランドは115年の歴史の中で積み上げてきた大切な資産です。ブラザーではそのブランドを、さまざまな事業活動の中で各拠点や部門が自律的に活用しています。私が所属するCSR &コミュニケーション部では、コーポレートとしてのブランディングをグローバルに推進するとともに、ブラザーというブランドを最大限に活用できるよう、品質管理、デザイン、知財等の関連部門と協力し、ブランドのガバナンスを推進しています。
一方でブラザーグループは現在、業務用・産業用の領域を拡大しようとしており、マスメディアを使った、最終消費者に向けた製品広告を減らす傾向にあります。その結果、20代、30代のブランドに対する認知度が徐々に低下しており、個人株主の獲得やリクルーティングに対するマイナス影響、さらにはビジネス全体に対する将来的な影響を懸念しています。これらを解決するためにブラザーでは、提供価値を分かりやすく知ってもらうことができる動画コンテンツを制作し、SNSやYouTubeなどを活用してブラザーになじみの薄い若年層に向け配信をしています。またコンテンツの内容に対しては、経営トップ自らも意見を出してくれています。