BANDAI NAMCO株式会社バンダイナムコホールディングスコーポレートコミュニケーション室 ゼネラルマネジャー 田上 朗子 様 | インターブランドジャパン

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BANDAI NAMCO

田上 朗子 様

株式会社バンダイナムコホールディングス
コーポレートコミュニケーション室
ゼネラルマネジャー

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

昨年4月、ロゴマークを刷新するとともにパーパスを導入しました。これはBandai Namcoにとって初めての経験です。
わたしたちは、エンターテインメント商品は企業ブランドではなく、商品そのものの魅力で選ばれると考えてきました。このためグループ内には、IP(キャラクター等の知財)や商品レーベルが立っていれば良いという考えがあります。しかし、日本のバンダイナムコから世界のバンダイナムコへ進化するためには、それに加えてグループブランドの存在感を高めることは必須です。グローバルを意識するからこそ、パーパスは英語で表現し、世界で統一した価値を発信していこうと考えました。
ブランディングの主幹は、バンダイナムコホールディングスのコーポレートコミュニケーション室が担っていますが、グループ各社と一体となるために主要な事業会社や地域統括会社のブランド担当、知財担当をはじめ、関係部門等とも連携携しています。パーパスの制定にあたっては、全社員へのアンケート調査、グループの役員インタビュー、各地域のキーマンによるディスカッションを積み重ね、誰もが納得できる内容とすることを大切にしました。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

グローバル市場で持続的に成長していくためには、IPや商品・サービスを販売して終わりではなく、あらゆるステークホルダーと継続的に繋がり、Bandai Namcoのファンになっていただくことが必要だと考えています。IPのファンだけでなく、ビジネスパートナーやリクルート面からも選ばれる存在になるために、IPを軸にした事業展開に加えて、サステナビリティへの貢献や社会課題の解決に向けた活動など、より幅広い視点で社会の一員として期待されることに取り組んでいきます。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

わたしたちのパーパス「Fun for All into the Future」は、ファンと広く、深く、複雑につながることを目指していますが、この導入と同時にスタートした中期計画では、中期ビジョンとして「Connect with Fans」を掲げ、各地域や部門においてファンと繋がり、ともに創る取り組みを進めています。つまり、中期計画はパーパスの体現を目指していると言えます。
IPを軸にファンに寄り添う新しい仕組み、「IPメタバース」は、その象徴の1つといえるかもしれません。これは、メタバース空間でIPとファン、ブランドとファン、さらにはファン同士が長期にわたって深く、広く、複雑につながる関係を構築しようという計画です。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

トップメッセージの発信や研修、広報ツールなどを活用してパーパスの意味やストーリーを伝え続けると同時に、社内外調査も適宜実施し、理解度や共感度を分析して、施策の内容に反映させています。
アメリカでは、これまで別々だったゲームとトイホビーの拠点を統合し、部門を越えて社員同士が融合することでイノベーションを生み出そうとしています。Bandai Namcoは現地拠点の地元球団のロサンゼルス・エンゼルスのスポンサードをしていますが、その応援ツアーをきっかけに、部門を越えた社員同士が意気投合し、仕事も一緒にやろうという機運も生まれているようです。
Bandai Namcoには、同じ魂を持つ多様な才能、個性、価値観を持つ企業や社員が生き生きと活躍できる「同魂異才」の集団でありたいというポリシーがあります。これからも地道な活動を積み重ねて、エンゲージメントを高めていきます。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

世界に、「Fun For All into the Future」の共感の輪を広げていくために、各地域に合わせた取り組みを、現地主導で推進することが必要だと考えています。理解をさらに深めるために、パーパスを自国語に置き換えるためのグループワークも進めています。また、社員がパーパスを自分事としてとらえていくための活動もさらに進めていきたいと思います。ブランディングについては、まだまだやるべきことが沢山ありますが、社内外の声を聴きながら一歩一歩取り組んでいきたいと思います。

Brand Value Chart

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