Asahiアサヒグループホールディングス株式会社執行役員 ヘッド・オブ・ストラテジー 佐藤 輝 様 | インターブランドジャパン

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Asahi

佐藤 輝 様

アサヒグループホールディングス株式会社
執行役員 ヘッド・オブ・ストラテジー

Best Japan Brands 2023
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社の経営において、ブランドはどのように位置づけられていますか。またそのために、活動の責任者や、必要な部署(事業部門、等)の巻き込み、リソース配分をどのように行っていらっしゃいますか?

消費材を扱う我々にとって、ブランドは最も重要な経営資産と考えています。前面に出るのは商品ブランドなので、事業毎にマーケティング部門を設けているのはもちろんですが、グループ本社にグローバルマーケティングという組織を設置し、グローバルブランドの成長促進を図っています。また、今後は企業とステイクホルダーとの関係強化も重要な経営課題と据えており、2020年にコーポレートコミュニケーション部門を設置し、機能を強化しています。

ここ数年、企業と顧客・社会との繋がりや関係構築が重要視されていますが、貴社の事業やブランドの成長のために、どのような点に注力した取り組みを行っていますか?

幅広いステイクホルダーの方々へインタビューをさせていただき、アサヒグループが皆様からどのような期待をしていただいているかを把握し、具体的なアクションにつなげています。具体的なアクションの一例として、昨年‘ヤング・ダボス会議’とも称される「One Young World」に当社CEOの勝木が登壇させていただき、アサヒグループのマテリアリティの一つである「責任ある飲酒」の推進について、参加者とともに考える機会を持つことが出来ました。

グローバルでも成長しているブランドは、業界に縛られない価値提供を通じて、新たな顧客獲得を実現しています。今後、貴社においては、既存の「中核事業」を梃に、どのように事業・ブランドの成長につなげようと考えられていらっしゃるか?お聞かせください。

アサヒグループでは昨年、中長期経営方針を発表し、その中の長期戦略―目指す事業ポートフォリオで、改めてビール事業を当社グループの中核として据えることを確認しています。他方、アルコール事業と・清涼飲料事業のボーダーは薄まってきていますので、酒類、飲料、食品といった幅広いカテゴリーで事業、ブランドを有する当社グループだからこそ提供できる価値があると考えており、この領域を戦略的に強化していきたいと考えています。

ブランドの活動を成果に結びつけるためには、「意味ある行動を起こす」ことが不可欠です。貴社においては、ブランドに基づく企業のカルチャーづくりや社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

私どものグローバル展開では、各国でプレゼンスの高い優良な事業をM&Aという形で獲得してきました。それぞれの会社には長い歴史で培われたカルチャーがあり、会社へのロイヤリティも高い。こういった会社にこれまでのアサヒの価値観を押し付けるというやり方は絶対に上手くいきません。ローカルを尊重しながらもグループとして共通の価値観を持ち、社員のエンゲージメントを高めていく。 「Asahi」というブランドはグループを束ねる旗印のような役割を果たさなければならないと思っています。

今後、さらなる事業・ブランド成長に向けて、どのような新たな取り組みをされようとお考えですか?

各事業で培ってきたカルチャーを融合しながら、アサヒは何者で何を目指すのか、という共通の価値観を、継続的に一貫性をもってすべてのステイクホルダーに発信し続けることが重要であると考えています。 例えば、インターナルの取り組みでは、グループの共通価値観のベースであるAsahi Group Philosophy (AGP)を旗印として、各事業の優れた活動事例を共有し、互いに称賛する機会として、「Kando Award」や「AGP Award」といったイベントを開催しています。こういった機会を通じ、共通の価値観がより強く、深く浸透されることで、事業間のシナジーを創出し続け、新しいアサヒグループの成長の形を創ることにつながります。そのような仕掛けは、グループ本社の重要な役割です。

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