Tokio Marine東京海上ホールディングス株式会社経営企画部 部長 髙島 周作 様 | インターブランドジャパン

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Tokio Marine

髙島 周作 様

東京海上ホールディングス株式会社
経営企画部 部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

東京海上ホールディングスにとって、ブランドとは、社員一人ひとりの行動により紡ぎ出されるものです。その根底にあるのが、「お客様や地域社会の“いざ”をお守りする」というパーパス。“いざ”は、災害や事故そのものを示すだけではなく、その前後も含めた概念です。つまり予兆を捉え、事故を未然に防ぎ、起こってしまった場合はフォローし、早期の復旧をサポートする。“いざ”をお守りすることは、“いつも”見守り続けることに他なりません。
この価値観を46か国・4万人を超える社員と共有するステートメントが、「To Be a Good Company」というグループ・アイデンティティです。わたしたちは、これをコア・アイデンティティとして、日々の行動に落とし込み、実現に取り組み、信頼を深めることにコミットしていきます。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

1879年、海運事業の保険事業からスタートした東京海上は、日本初の自動車保険やサイバーリスクに備える保険まで、常に時代に先駆けて社会課題を予期し、それを解決することで成長してきた会社です。私たちは創業以来ずっと、お客様だけでなく、お客様を取り巻く人々、地域社会と真摯に向き合い、顧客視点を貫き続けてきたという自負を持っています。
とはいえ、社会的課題への対応は、エンドレス・ジャーニー。ここまでやれば良いというゴールはありません。よりよい社会を実現し、それによって会社も成長できるよう、常に感度を高くしておかなければならないと考えています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

パーパスやコア・アイデンティティを体現するのはフロントラインに立つ社員に他なりません。カルチャーづくり、社員のエンゲージメントを最重視し、多様な取り組みを続けています。
たとえば、グループCEOはパーパス浸透のリーダーシップをとるグループカルチャーオフィサーを兼任していますが、毎年の世界グループCEO会議では、必ずパーパスやコア・アイデンティティが議題に上がります。また、現場では、真面目な話を気楽にする「マジきら会」が適宜開催されています。これは、各部・課単位で行われたり、役員が所属部門を超えて開催を呼びかけたりと、自由闊達に行われています。さらに2018年からは、世界4万人以上の社員に対してカルチャーアンドバリューサーベイを行い、継続的に浸透度を図り、PDCAを回しています。
しかし、「To Be a Good Company」を実践するために各自が接するステークホルダーごとに自ら考え、行動することが重要です。KPI設定が議題になったこともありますが、KPIを達成したら終わりではなく、時代・環境に則して何が「Good」と考えることが大事であり、その定義に正解もゴールもありません。だから「To Be」なのです。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

SDGsやサステナビリティへの取り組みは、人類史的に見ても一二を争う大きな課題であり、その解決は我々の使命だと考えています。ヘルスケア 、モビリティ、防災減災など、お客様に対して影響が大きく、本業との密接度が高いエリアは、ビジネスの最重要課題でもあります。
私たち自身の取り組みとしては、たとえば1999年から東南アジア他で続けているマングローブ植林プロジェクトは、2021年3月末までに11,618ヘクタールの規模に達しました。これは100メートル幅で東京駅から小倉駅まて?の距離に相当します。そのCO2吸着固定効果もあって、東京海上グループは2013年から8年連続で、東京海上日動火災保険では2009年から12年連続でカーボンニュートラルを達成しています。
今後も、洋上風力発電、再生可能エネルギーなどを後押しし、好循環を生み出していきます。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

デジタルによって変わりゆく社会課題を重視し、デジタルと人の力のベストミックスにより社会課題を解決する取り組みを加速させていきます。先日、人工衛星を使って水害時の保険金お支払いを迅速化する私たちのサービスが報道されましたが、これもその答えのひとつです。デジタルを活用することで、人にしかできないところにより一層人の力をかけていきます。これからも、時代が求めるサービスを、時代に先駆けて実現し続けます。日本発のグローバルカンパニーとして、国内外に我々の社会課題解決に向けた取り組みを発信することで、東京海上グループの国内外におけるブランド価値を高めることに取り組んでいきます。

Brand Value Chart

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