Terumoテルモ株式会社代表取締役社長CEO 佐藤 慎次郎 様 | インターブランドジャパン

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Terumo

佐藤 慎次郎 様

テルモ株式会社
代表取締役社長CEO

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

ブランドの重要性が日々増していることを痛感しています。社内のグローバリゼーションが進み、社員の8割が海外に在籍しているという状況では、自然体でアイデンティティを確立するのは難しく、社員に企業理念やコアバリューズをベースにしたブランドメッセージを意図的に発信する必要があります。
社外に対しても、お客様に世界で統一的なイメージを持ってもらうことが大切です。以前の医療機器市場においては、まず製品ありきで、ブランドは二の次でしたが、成熟した市場では単品の製品力では勝負できません。医療現場においても、また、患者さんの生活シーンにおいても、総合的な企業姿勢やアイデンティティなどが選別要素となってくるので、ブランドメッセージを的確に現場に伝え、浸透させることが重要になります。
投資家に対しては、ESGやSDGsなど社会貢献への取り組みを含めた複合的なブランドメッセージを発信していくことが大切だと考えています。
このように、戦略的な重要性を増しているブランディングを、スピード感をもって進めるためには、トップマネジメントの強いコミットメントが欠かせません。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

コロナ禍で、私たちは、患者さんのためにすべての医療が存在していて、その医療の進化に貢献することが、私たちの使命であるということを改めて認識しました。この原理原則は変わらないものです。今後は、それらをベースに、21世紀の医療、新しい医療に貢献できるTerumoを表現していきたいと思っています。これからは、医療もデジタルトランスフォメーションが進んでいきます。そのような中で、私たちも新たなソリューションを医療現場や患者さんに届けていきたい。そのような、よりイノベーティブで未来志向の会社としてのブランドメッセージを伝えていきたいと思います。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

一方的にメッセージを発信するのではなく、お客様に寄り添い、カスタマーエクスペリエンスを活かした具体的なソリューションを提供していくことが大切だと考えています。顧客との共創を通じてブランド価値を高めていきたい。 昨年は、リモート環境下でも、サイバー空間を使ってカスタマーエクスペリエンスを豊かにすることができると実感しました。今後も総合医療トレーニング施設「テルモメディカルプラネックス」なども活用して、製品を提供するだけではない、ソリューションプロバイダーとしてのTerumoを世界に知ってもらう活動を続けます。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

これからもグローバルでのビジネスの成長が鍵となるので、グローバルで社員がブランドメッセージを理解し、協働できるように、継続した活動を行う予定です。 デジタライゼーションを検討する中で、それぞれの事業が、Terumoとしての統一したイメージを構築し、一貫性を持ったコミュニケーションを行う必要があるという考えがかなり浸透してきました。また、Terumoは昨年、創立100周年を迎えました。この100年を振り返り、私たちの変わらぬ使命を、社員と改めて確認し、社内外にワンチームとしてのブランドメッセージを浸透させたいと思っています。

Brand Value Chart

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