Rinnaiリンナイ株式会社上席執行役員 経営企画本部長 小川 拓也 様 | インターブランドジャパン

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Rinnai

小川 拓也 様

リンナイ株式会社
上席執行役員 経営企画本部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

ブランドは経営戦略と一対の存在だと捉えています。2021年に発表した中期経営計画を策定する際も、ブランドプロミスである「Creating a healthier way of living」を常に議論の中心に据えてきました。
私たちが事業を通じて社会に貢献できる価値とは何かを考え、「生活の質の向上」「地球環境問題の対応」という2つをRinnaiが取り組むべき社会課題と定めています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

エネルギーの小売自由化という経済環境の変化により、今までガス会社に依存していた部分の独り立ちを余儀なくされたことから、より生活者に意識を向ける必要性に迫られました。生活者の目からRinnaiがどう見えているかというと、これまでは単にガス器具を提供する会社でした。これからは、生活の質の向上に寄与できること、お客様自身が地球環境問題に貢献していると感じられることへと、ブランドの価値を変えていかなければなりません。常に「Creating a healthier way of living」を実践できているかどうかを問いかけながら活動を行っています。
近年はRinnai meの名でインスタグラムを始め、ライフスタイル提案やユーザー様の素敵な暮らしなどインタラクティブな情報発信を行うことで、生活者との絆づくりにも取り組んでいます。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

国内外の全従業所の社員に向けて、社長のメッセージ動画、ワークショップ、E-Learningなどを組み合わせながらブランドプロミスの浸透を行っています。これからは個々の業務や活動に落とし込めるように自分ごと化の強化を行っていきたいところです。
商品の企画開発においては「マイクロバブルバスユニット」やガスと電気のハイブリッド給湯器「エコワン」などhealthier wayを意識した商品開発やコミュニケーションがすでに行われています。嬉しいことに、最近発売した無水調理鍋「レジェロ」は、野菜とカレールーを鍋に入れて火にかけるだけでおいしいカレーができるというお客様の体験がSNSで拡散され、すでに入荷待ちの状態になりました。これこそブランドがめざすhealthierな体験が生活者に共感されたということだなと手応えを感じています。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

ブランドプロミスを策定する際に10年先の世の中がどのように変わっていくのか、その中でめざすべき存在意義や提供価値を考えて反映してきました。これからも今の活動を続けていく中で、変化には柔軟に対応していきたいと考えています。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

カーボンニュートラルへの対応が最も大きなチャレンジだと思っています。大きな投資も必要だし、簡単なことではありませんが、「Creating a healthier way of living」を実現するために、グループ全体で正面から取り組んでいかなければならない課題です。業界の中でリーダーシップを発揮していきたいと考えています。
デジタルを活用したブランドの体験構築も重要なテーマです。カーボンニュートラルと併せて、トランスフォーメーションを起こしていかなければなりません。
これまでは勢いでやってきたところがあるので、「慣れ」によって失速しないように、社員を巻き込んでチャレンジを続けていきたいと思います。

Brand Value Chart

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