貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?
ブランドに対する社員の意識は明らかに変わってきました。POLAをより良いブランドにするために、立場を超えて自発的に動き始める社員が多くなり、それが良い刺激となって、部門を超えて様々な社員がつながる動きが出てきたことです。
ただ、そのため、業務外のディスカッションが増えたり、ワーキンググループがうまれて、新たな業務が発生したりしています。短期な時間軸では手間がかかるように思えますが、長期視点で見ると、自分事化の上で自主的に動くので、納得度やアイディアの創出レベルが増し、ブランド価値につながる活動がふえていきます。短期間での時間的生産性は犠牲になっても、長期での価値創出としては効率的になっています。「生産性」という名の下に、社内のコミュニケーションを削るようなことがあってはならないと思うのです。たとえ効率は悪くても、対話や議論を十分に行って、納得ずくで仕事をしたほうが、結果的に生産性が上がるのではないでしょうか。
その意味で、パーパスは、遥か彼方にある北極星であるよりも、社員の内なる哲学というつねにうちがわにある位置づけであってほしいと思っています。