NTT DOCOMO株式会社NTTドコモプロモーション部長 坂本 秀治 様 | インターブランドジャパン

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NTT DOCOMO

坂本 秀治 様

株式会社NTTドコモ
プロモーション部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

以前は、自社の商品やサービスを印象づけるためのものでしたが、2021年7月にブランドスローガンを刷新したタイミングで、企業変革への想いや経営方針を色濃く反映しました。今ではブランドは、まさに経営の中心と言える存在です。
新しいブランドスローガン「あなたと世界を変えていく。」は、さまざまな企業や人と色々な領域を変えていくという想いを社外に表明するものです。同時に、社内でも、「〇〇と世界を変えていく」という使われ方が浸透し、自分事化しやすいので、社員一人一人がどう行動をすればいいかを考える指針にもなっています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

当グループでは2018年5月に会員プログラム「dポイントプログラム」を
リニューアルし、携帯電話の「回線契約者」に代わり、dポイントプログラムの「会員基盤」を軸とした事業運営に転換を行いました。これにより、dカード・d払いといった回線契約を前提としないサービスを拡大し、お客様の生活をより豊かにする事業展開を進める転回点となりました。
ブランド調査によると、ドコモのイメージは「安定」「信頼」「伝統」「技術」などで、従来の通信業界の枠を超えていません。eスポーツの運営やコンテンツビジネスに挑戦していくためには、ワクワク感やイノベーティブ、チャレンジングなイメージの訴求が必要だと考えています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

ブランドは社会や顧客との約束であり、社員の行動一つ一つで、良くも悪くもブランドの価値が変わってきます。
7月にグループの組織体制を刷新するので、新たにグループに加わる社員も含めて、改めて私たちが守っていくべき行動指針の明文化を進めているところです。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

電気通信事業は、それ自体が環境に負荷をかけています。膨大なデータのやり取りに日々大量の電力を消費しています。NTTグループだけでも日本の1%程度の電力を使用しているのです。
ですから、まずは技術革新で自分達の環境負荷を低減する。次にお客様やパートナー企業と一緒に環境負荷を低減する取り組みを行う。さらに、たとえばリモートワークに欠かせない通信環境を支援することで社会全体の移動を減らす社会変革に貢献する。全部をひっくるめて「あなたと世界(環境)を変えていく。」を実現したいと思っています。
私たちが提供する5Gサービスは全て再生エネルギーを使った「グリーン5G」(注1)で、ユーザーは1,000万人を超えています。電力に責務のある会社として、社会全体にグリーンへの関心を高めていきたい。DXに必要なインフラを提供することで、事業を通じて世の中をよくすることができるという有難い立場を生かし、社会課題の解決に貢献してまいります。DXに限らず、小さな取り組みをたくさん積み重ねることで、社会課題を解決するブランドをめざしたいと思っています。

(注1)ドコモの総電力消費量に占める実質再生可能エネルギー(再生可能エネルギー指定の非化石証書の利用を含む)の比率が、ドコモの総契約者数に占める5G契約者数の比率よりも上回ることで、温室効果ガスの排出をしない環境に配慮した5Gにします。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

ブランドは、お客様に触れていかに想いを伝えるかに尽きると思っています。繰り返しになりますが、ブランドを背負う社員や関係者が、ブランドを理解し、それに基づいて行動していくことが大事です。一人ひとりが地道に、それを徹底するしかありません。
それが地上戦だとしたら、プロモーション部が行う対外的なブランド・
コミュニケーションは空中戦です。地上戦と空中戦の二層によってブランド価値を高めていきます。
今後とも、経営陣からの積極的な情報発信も含めて、社内外へのメッセージを伝えてまいります。

Brand Value Chart

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