Nissan日産自動車株式会社日本マーケティング本部 ディビジョンゼネラルマネージャー 増田 泰久 様 | インターブランドジャパン

4

Nissan

増田 泰久 様

日産自動車株式会社
日本マーケティング本部
ディビジョンゼネラルマネージャー

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

ブランドとはマーケティング部署だけではなく、販売現場も含めてNissanのビジネスに携わる従業員すべてが作り上げていくものだと思っています。Nissanには創業以来、「他がやらぬことをやる」というDNAが受け継がれており、挑戦し続けるカルチャーが根本にあります。「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」このパーパスは常に私たちの活動の中心にあり、モビリティの先を見据え、これまでにない技術や考え方で新しい価値を提供していくことが私たちの社会に存在する意義であると考えています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

私たちの行動指針であるNISSAN WAYに「お客さまのことを常に考える」と明記されているとおり、常にNissanは現在・将来のお客さまとの関係性を中心に、長期にわたるブランド構築を考えております。その例としてお客さま理解に特化した部署であるマーケットインテリジェンスとともに、将来のトレンドを見据えた戦略を立案・実行しています。「モノからコトへ」の先に垣間見えるトレンドは「エモ消費」です。お客さまは企業の姿勢や考えに共感することで、商品を購入される。日本市場では東日本大震災以降に強くなった傾向ですが、コロナ禍においてグローバル市場でも共通のキーワードになってきた感があります。
これを受けて、2020年に横浜のみなとみらい21地区に期間限定でオープンした「ニッサン パビリオン」では、Nissanの最先端テクノロジーやNissanが考える未来のモビリティ社会を幅広い方々に体験していただくことで、Nissanの「想い」を皆さんにお伝えできたと思います。
また、セールスを一切行わない体験型店舗「ブランド・エクスペリエンス・ストア」の対象地域拡大を行っています。ここでは販売員ならぬ「ブランドクルー」が、数々の先進技術に込めたNissanの想いをお客さまに伝えながら、体験プログラム「HELLO NISSAN」をサポートしています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

「すべては一人ひとりの意欲から始まる」。これは、NISSAN WAYの根本となっている、グローバルで共有している行動指針です。やはり従業員がNissanの一番のファンでなければ、お客さまに伝わらないと思っています。
先述の「ニッサン パビリオン」には一般のお客さまだけでなく、本社従業員や全国の販売会社従業員にも参加してもらい、Nissanがどこに向かおうとしているかを体験してもらいました。その後の調査により、この体験が従業員のモチベーション向上に大きく貢献したことがわかっています。
最近では、ブランドと先進技術のトレーニングプログラムを開発し、マーケティングと開発部門の社員が直接またはオンラインにて販売会社の従業員に直接語りかけてエンゲージメントを高める活動を行っています。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

Nissanは、どこよりも早く、電気自動車の量産化に取り組んできました。また電動化アクション「ブルー・スイッチ」にも力を入れています。全国の自治体などと災害時連携協定を結び「電気を運べて外部に供給もできる」電気自動車「リーフ」を避難所や医療施設に無償で貸与し、停電発生時などに活用してもらう取り組みです。協定の締結有無にかかわらず、2019年台風15号による大規模な停電が続いた千葉県には53台を提供しました。
「2050年カーボンニュートラル」を実施するために、今後も電動化を加速し、2030年までにグローバルでEV/e-POWER搭載車合せて、23車種の電動車を導入していきます。この2月からはNEXCO中日本さんと共同で、Nissanに限らず電気自動車に乗っている方にサービスエリアで優遇措置を受けられる「グリーンパス」プロジェクトも開始しました。環境への配慮だけでなく、クルマに乗り続けられる楽しさ、ワクワク感も伝えていきたいと考えています。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

お客さまのインサイトに真摯に向き合い、よりクリーンな電動車とイノベーションを提供することで、お客さまのワクワクを創り、エモーショナルな絆をはぐくんでいきたいと考えています。
また、そうした活動を通じて、これまで以上に社会課題の解決に貢献し、社会的活動の意義に注視されているお客さまの期待に応えていきたいと考えています。

Brand Value Chart

一覧に戻る

Article
Best Japan ​Brands
2022​ Article
Brand Leader’s Interview​
Best Japan ​Brands
2022​ Interview​​