Mitsubishi Motors三菱自動車工業 株式会社グローバルセールスデベロップメント本部 グローバルマーケティング企画部部長 金子 律子 様 | インターブランドジャパン

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Mitsubishi Motors

金子 律子 様

三菱自動車工業 株式会社
グローバルセールスデベロップメント本部 グローバルマーケティング企画部部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

三菱自動車は、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくります」というビジョンの実現に向けて、ブランド・メッセージ “Drive your Ambition”を2017年に策定しました。これはお客様が今までできなかった体験を可能にする新しい価値をご提供し、「行動範囲を広げたい、さまざまなことに挑戦したい」そのような志をもったお客様をサポートし続ける、私たちの決意です。これからのブランドが進む道を示したこのメッセージを旗印に、グローバルな浸透活動を推進しています。
一方、2020年にスタートした現中期経営計画では、強みを発揮できるコア地域に注力するとともに、当社が提供する商品価値をより明確に伝えるため、また、持続的成長に向けて、当社の目指す姿、つまり三菱自動車らしさを「環境×安全・安心・快適」と、2021年に再定義しました。このように、経営戦略とブランド戦略の両輪による事業の成長を最重要課題として位置付け、日々取り組みを進めています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

私たちはクルマを単なる移動の手段としてではなく、お客様の生活をより豊かにするものと位置づけており、三菱自動車らしい新しい価値や情緒的価値を提供するブランドに進化させていきたいと考えています。モータースポーツで培った技術力で、どんな天候・路面環境でも安全・安心・快適に走れることに加えて、環境対策やカーボンニュートラルにも真摯に取り組み、社会課題にも貢献していきます。
災害発生などの非日常時に、給電機能を備えたプラグインハイブリッドEV(PHEV)車両を被災地や避難所へ速やかに届けて非常電源としてお役立ていただく「DENDOコミュニティサポートプログラム」では、すでに180の自治体と提携を結んでいます(2022年2月時点)。2019年の台風による千葉県における大停電の際には、実際にPHEV車両で支援活動を行いましたが、照明や洗濯機などの電力源としてライフラインをお支えする現場に立ち会えた貴重な経験でした。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

グローバルで働く従業員のエンゲージメント向上に向けて、ブランドに込めた想いやガイドラインをまとめた「ブランドマニュアル」を定め、多様なタッチポイントにおいて一貫したブランドイメージを構築すべく浸透活動を行っています。ブランド・メッセージの発表後は、従業員が自らブランドについて考え、語ることが増え、能動的に関わろうとする文化が生まれつつある実感があります。
他にも、全世界のディストリビューターを対象にブランドについて直接説明する大切なタッチポイントとして、年に一度ミーティングを開催していますが、コロナ禍ではオンラインに切り替え、より多くのメンバーが参加できるようになりました。今後はオンライン、オフラインそれぞれの良さを活用しながら、ハイブリットで社内のコミュニケーション活動を行っていきます。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

三菱自動車は、SDGsの重要性を認識し、ESGの課題から当社が取り組むべきマテリアリティを特定し、取り組むことで事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。
商品分野における気候変動対策としては、2030年度までに電動車販売比率50%と、新車からのCO?排出量マイナス40%(2010年度比)を目標として設定しました。その達成に向け、全力で商品開発を進めています。
また、従業員・社員の働き方の向上に向けたワークライフバランスの実現にも力を入れており、女性社員が活躍できる環境づくりを推進中で、「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄に2018年から4年連続で選定されました。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

ブランドに対する考え方、目指すべき姿を定めるだけではなく、それが伝わって初めて活動自体が動き出すと考えています。そのために、三菱自動車らしさの具現化と”Drive your Ambition”のエッセンスを、より分かりやすくお伝えすることに取り組んでいきたい。その例として、2021年12月に発売した新型アウトランダーPHEVは、「環境×安全・安心・快適」を体現した商品であり、今年はモータースポーツで使用していたブランド「RALLIART」が復活します。
様々なタッチポイントで、AdventurousでProgressiveなDNAをお伝えし、三菱自動車らしさを感じていただけるように挑戦を続けていきます。

Brand Value Chart

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