Kubota株式会社クボタKESG推進部 担当部長 廣瀬 文栄 様 | インターブランドジャパン

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Kubota

廣瀬 文栄 様

株式会社クボタ
KESG推進部 担当部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

経営の中長期目標として「グローバル・メジャー・ブランド」を掲げ、経営陣は「最も多くのお客さまに愛され、社会に貢献をなしうるブランドの実現」を強く意識しています。
さらに今年は、「事業を通じて社会課題の解決を追及する会社として存在したい」という強い意志を明確にしました。経済的価値と社会的価値の両立を目指してKubotaらしいESG経営を追求したいと考えています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

既存顧客だけではない、幅広いステークホルダーとの関係強化は、まさに私たちが長期ビジョンで目指しているところです。
「プラネタリーバウンダリー(地球の限界)」という考え方がありますが、当社の事業領域は「食料・水・環境」という人が生きる上で不可欠な領域であり、食システムや水インフラをどうやって地球にやさしく、持続的な形でつくっていけるか、「命を支えるプラットフォーマー」として価値を提供し続けたいと考えています。
こうしたKubotaらしいESG経営をグループ全体に落とし込むために、今年は「ステークホルダーとの共感・参画」を含む4つの領域で12のマテリアリティを設定しました。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

「命を支えるプラットフォーマー」を目指す上で、ESG経営の基本的な考え方を社員に浸透、共有することが最も重要だと考えています。社員のエンゲージメント調査を今まで以上に踏み込んで実施を予定しています。また、浸透活動として、社長のTOPメッセージを16言語で翻訳してグループ4万人に発信したり、海外拠点や国内のミドルマネジメントと日本の経営陣によるミーティングもオンラインで実施しています。コロナ禍で出張が難しくなった半面、オンラインで直接対話する機会が実現しやすくなったのは有難いですね。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

これまでブランドは、企業イメージを上げたり、商品をPRしたりする手段としてのみ捉えられがちなところがありましたが、コロナ禍を経て、サステナビリティの視点抜きにブランドを語ることはできなくなりました。とかく日本の企業は自社の企業価値を上手く伝えることが苦手であり、当社にも当てはまります。いくら良い事業活動を行っていても、それでは伝わりませんし、社会からの要請にもこたえられません、持続可能な社会づくりのために、ブランドとしてどういう価値を提供していくのか、どんなビジョンを考えているのか。今まで以上に、ブランドパーパスを言語化、ビジュアル化することによって、多くのステークホルダーと共有していきたいと思います。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

当社は、お客様に寄り添い、お客様の課題を解決する”On Your Side”の姿勢を大切にしています。”世の中目線で社会課題を発掘し、解決していくことも意味しています。
2022年1月に実施した約1万人によるオンラインイベント「GROUNDBREAKERS 日本農業の未来へ」では、新たな動きとしてサステナブルな農業を考える場を設け、対話を行いました。商品PRだけにとどまらず、これからの農業を農家や農業に関わる企業はもちろんのこと、行政、学生、消費者など、いろいろな立場の方との対話を重ねていく場にしたいと考えます。これからも多くのステークホルダーと共に考え、対話することで、社会にとって必要な、サステナブルなブランドとしてありたいと思います。

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