KONAMIコナミホールディングス株式会社執行役員 総務本部長 米山 新一郎 様 | インターブランドジャパン

83

KONAMI

米山 新一郎 様

コナミホールディングス株式会社
執行役員 総務本部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

KONAMIの事業領域は、エンタテインメントからスポーツまで幅広く、多様なチャネルでサービスを展開しています。
KONAMIの提供する高品質で付加価値の高い商品やサービスの多くは、知的財産(IP)や無形の資産により作り上げられています。
これらは一朝一夕に出来るものでなく、1969年の創業以来積み上げてきたもので、KONAMIブランドを形作っています。
KONAMIブランドから生み出された新たな体験や驚きを、絶え間なくユーザーに伝えていくことがブランド価値を高めることだと考えています。
ブランドコンセプトとして掲げる「時間の消費から価値ある時間の創造へ。あらゆる生活場面を、輝く感動の時間に変え、ひとびとの人生をHigh Quality Lifeにします」というステートメントを体現すべく、今後もチャレンジを続けてまいります。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

次々と新しいテクノロジーが生まれ、異業種からの参入も相次ぐ苛烈な競合環境の中、KONAMIは常に時代の波頭を捉え、0から1を創造し続けることで評価を受け、ここまで到達することができました。しかしこの間、私たちは自社の成長だけを追求してきたのではありません。
創業者である現代表取締役会長の上月景正のリーダーシップにより、社会から、産業への認知や理解を得ることに力を注ぎ、今やゲームクリエイターが子供たちの憧れになる時代を迎えました。
KONAMIは、「カスタマーイン、チャレンジ、チェンジ、コンプライアンス」という4Cを行動規範としています。その姿勢を従業員全員が体現することで生まれる「安心と革新」の両輪で、これからも、社会と一層よい関係を築いていきたいと考えています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

独創的で斬新なものをクリエイトしていくこと。これは人にしか成し得ない分野なので、社員を大切にしているのは言うまでもありません。
KONAMIはいち早く働き方改革を推進し、有給休暇消化率、ストレスチェック回答率、喫煙率などすべて目標を決め、社内外に開示。それを定点観測して改善を続けるために、システムから見直して見える化し、責任をもって実行しています。おかげさまで業績も伸び、生産性も上がっています。結果的に、経済産業省が認定する健康経営優良法人の「ホワイト500」に5年連続で認定されています。
社内のエンゲージメントには、商品、イベント、サステナビリティへの取り組みに至るまで、動画を活用しています。
広報室が社内向けの動画を作り、社員に向けて毎週情報発信しています。
ステークホルダーにも知っていただきたいことはホームページやTwitterで一般公開し、動画による分かりやすい情報発信を心掛けています

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

気候変動やダイバーシティの課題にしっかり向き合うことは当然ですが、やはりビジネスを通して社会貢献をしていくことが基本だと考えています。その意味で、スポーツや文化芸術の分野は、私たちが貢献しやすいフィールドです。
日本野球機構(NPB)との共同開催による、プロ野球全12球団によるeBASEBALLや、NPB12球団ジュニアトーナメントへの特別協賛もそのひとつ。FCバルセロナとは、障がいを抱える子供たち向けのサッカーイベントの実施や、海外の子供たちのための指導者の育成などの取り組みを続けています。
スポーツ事業は事業そのものが社会貢献の性質を持っており、健康で明るい社会となるよう、子供からシニアまであらゆる世代をサポートしています。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

メタバース、NFT、VR、AR、5G。これらのすべてに、KONAMIの技術とリソースで挑戦できる。これだけの領域に展開できる未来が待っている。KONAMIは今、そういう追い風の中にあります。私たちは、どんどんトライしていきます。
新しい技術やデバイス、プラットフォームに次々と当社のIPを展開し、ユーザーベースを広げて行くことでブランド価値がどこまで大きくなるか想像もつきません。
スポーツ事業は新型コロナウイルスの影響を受けていますが、人々の健康増進には欠かせないビジネスですので、オンラインでフィットネスを提供するサービスなどに力を入れるなど、アフターコロナを見据えたサービスの拡充を強化しています。
エンタテインメントもスポーツも、KONAMIらしい新しいモノを創造していって、鳥肌が立つくらいの感動をお届けすること。それが私たちのチャレンジです。

Brand Value Chart

一覧に戻る

Article
Best Japan ​Brands
2022​ Article
Brand Leader’s Interview​
Best Japan ​Brands
2022​ Interview​​