Komatsu株式会社小松製作所建機ソリューション本部ブランド戦略事業部部長 木村 幸 様 | インターブランドジャパン

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Komatsu

木村 幸 様

株式会社小松製作所
建機ソリューション本部ブランド戦略事業部部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

コマツは昨年、創立100周年を迎えたのを機に、コーポレートアイデンティティとブランドプロミス「Creating value Together」を発表。それを踏まえたブランドスタンダードを含め、グローバルブランディングの運用を始めたところです。
弊社は1950年代に海外へ進出し、現在は140を超える国と地域で事業を展開していますが、これまでは各地域でのブランディングを優先し、任せてきた部分があります。それを可能にしたのは、「創業の精神」や「コマツウェイ」という確固とした価値観が、浸透してきたからに他なりません。しかし、日本人社員数が3割以下である現状では、グローバルブランディングは欠かせなくなってきていました。
その意味で、コマツにとってブランドとは、コマツグループ6万人を束ねる一つの戦略です。
これまで暗黙知として共有され、継承されてきた「イズム」を、包括的に整理し、形式知化することで、新しくM&Aなどで加わった会社や社員もスムーズに目指す姿を共有できるようになってきたと感じています。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

既存顧客だけではなく地域や社会との関係構築を重視する姿勢は、ブランディング以前にコマツの経営の基本であり、事業活動にしっかり根付いています。私たちにとって、企業価値とは、私たちを取り巻く社会とすべてのステークホルダーからの信頼度の総和に他ならないのです。ステークホルダーにこうした私たちの姿勢を広く正しく伝え、理解していただくうえでは、特に急成長しているデジタルチャネルでのコミュニケーションは必要かつ有効な手段です。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

各地域のエンゲージメントサーベイの結果から、海外の社員は、ブランドに誇りが持てること、共感できることがやる気の源泉となり、いい仕事に直結すると実感しています。日本においてもこうした傾向は強まっております。
また、これまでは社内、社外とコミュニケーションを使い分けてきましたが、今後はボーダレスに必要な情報を発信し共有して行くことの大切さも感じています。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

コマツのパーパスは、「ものづくりと技術の革新で新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓く」ことであり、事業を通じた社会課題の解決には、創業以来ずっと取り組んできました。その姿勢は不変ですが、CSRという概念がSDGsやサステナビリティへアップデートされているように、時代の要請によってフォーカスは変わってくるでしょう。
昨年は、鉱山オペレーションのゼロエミッション実現を目指し、コマツのお客さまである大手鉱山企業4社とともに「コマツGHG アライアンス」を発足しました。また、コマツグループとして初のグローバルな取り組みである社員参加型社会貢献プロジェクト「One World One Komatsu」では、世界中の社員が個人の意思で植樹や清掃などの環境保全活動を行い、オンラインで活動の様子を共有しあいました。このような活動を、今後さらに拡大してまいります。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

グローバルブランディングの使命は、ブランドのビジョンと信念をしっかりとステークホルダーに届けることで、社会との絆を強くすることにあります。社内外のステークホルダーとのエンゲージメントを通じてこの実現を目指します。

Brand Value Chart

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