Kikkomanキッコーマン株式会社執行役員 経営企画室コーポレート政策推進担当部長大津山 厚 様 | インターブランドジャパン

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Kikkoman

大津山 厚 様

キッコーマン株式会社
執行役員 経営企画室コーポレート政策推進担当部長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

ブランドは、お客様をはじめとしたステークホルダーの心の中に築き上げられていくものであり、同時に私たちが生み出す商品、事業の信頼度に深く関わり、持続的な成長を目指す基盤となるものです。
弊社は2008年、(1)「こころをこめたおいしさで、地球を食のよろこびで満たします。」をエッセンスとするキッコーマンの約束、(2)コーポレートスローガン「おいしい記憶をつくりたい。」を中軸とするブランド体系を構築し(3)コーポレートマークも刷新いたしました。
キッコーマンの約束は、消費者本位の視点で、私たちの思いや企業姿勢を示したものであり、私たちの存在意義を示したものでもあります。その実現に向かい、キッコーマングループ内すべての組織の所属長が、それぞれのありたい姿、そのためにどう行動するかを「組織活性化ビジョン」として策定し、実践しています。こうした取り組みは、社員一人ひとりが社会とのつながりを感じ、誇りを持って働くことにつながり、ブランド価値向上の土壌をつくっていると考えます。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

ライフステージの節目や高齢化社会に向けて、未来の顧客のニーズを予見したアプローチを、調査研究、商品開発などにおいて意識し強化していきます。
さらに、お客様との最大の接点である商品がよりお役に立つように、各世代の価値観の変化に寄り添えるレシピや活用アイデアをアップデートし続けます。具体的には、「キッコーマン ホームクッキング」のレシピサイトやアプリを通じて、お客様のニーズに対応した情報発信を進化させていきます。そして、健康志向がいっそう高まる中、お客様に栄養バランスに優れた食生活を提案することに、さらに注力していきます。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

高品質なものづくりに誠実に取り組むことを基盤に、事業をグローバルに展開し、食文化の国際交流に寄与し、世界中の人々のおいしい記憶づくりに貢献していきたいという思いは、長くにわたり、醸成され、企業文化として定着しています。このような風土は、社員が社会とのつながりを実感することに有意義にはたらき、エンゲージメント向上に貢献しています。
中野祥三郎COOは昨夏、就任以来、「組織活性化ビジョン」(1で既述)をベースにした対話を月2回実施し、2022年末までに約450人のミドルマネジャーと、トップの想いの共有、ミドルの想いについての意見交換の場を展開していきます。ブランドの目指す姿を共有し、キッコーマンの約束の実現に参画すること、社会とのつながりなどを強く認識し、さらに、それらをベースにミドルが、各所属の社員一人ひとりとの対話をすることが、さらにエンゲージメント向上につながっていきます。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

キッコーマングループは、企業は「社会の公器」という認識のもと、事業活動を通じて、地球社会に貢献することを意識してまいりました。2005年には、「食でこころとからだを健康にすること」、「食文化の交流をすること」に食に携わる企業の責任として取り組むことを「食育宣言」として公表いたしました。コーポレートメッセージ:「おいしい記憶をつくりたい。」キッコーマンの約束:「こころをこめたおいしさで地球を食のよろこびで満します。」を核とするブランド体系は、私たちの存在意義を示していると考えます。
事業活動から生じる環境負荷の低減、食を通じた心とからだの健康への貢献、食育活動等による次世代との積極的なコミュニケーションなどについてサスティナブルで、グローバルな視点に基づきさらに強化して、地球社会に貢献していきます。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

お客様のニーズに応え、キッコーマンという企業が存在してよかったと思われ、日常の生活において身近な存在として頼りにされることを目標に、おいしさ、お手軽さに加えて、お客様の健康(栄養バランス)に貢献する提案を、事業活動(商品、サービスの提供等)を通じて展開してまいります。
そして、豊かなこころの健康につながる「おいしい記憶」を積み重ねられるように、食を通じた世界の人々とのコミュニケーション、食育活動の実践などにいっそう注力してきます。

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