Daikinダイキン工業株式会社総務部 広告宣伝グループ長 片山 義丈 様 | インターブランドジャパン

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Daikin

片山 義丈 様

ダイキン工業株式会社
総務部 広告宣伝グループ長

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

「空気で答えを出す会社」がDaikinのパーパスであり、経営理念、中期経営戦略と密結合したパーパスであることがブランドの推進力になっていると思います。
機能的価値では差別化ができなくなっている中で、情緒的価値=ブランドがますます大事になっています。Daikinが手掛けているエアコンは、生活に必要なインフラである一方で、環境負荷の高い商品でもあります。快適な生活を実現しながら、環境負荷を下げていく。そんな私たちの志=存在価値を理解してもらうことが大切です。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

エアコンは13年に1回買い替える商材です。日常的にリピートしてもらう商材ではないので、13年間常に「Daikin」が純粋想起される存在でなくてはなりません。単なるエアコンの会社ではなく、「空気で答えを出す会社」という、より上位の概念をめざして社会課題を解決しようとしている会社であることを、将来の顧客や社会全体に理解してもらえるように地道に取り組み続けています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

弊社では、ブランドに基づく企業カルチャーづくりではなく、企業カルチャーに基づくブランドづくりを進めています。もともと「人を基軸にした経営」が最大の強みであり、こういうことをやっている会社だから、「自分も加わりたい」「成長できる」と社員に思ってもらえることが重要だと思っています。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

たくさんのエネルギーを消費するエアコンで事業展開をおこなっている以上、SDGsはまさに経営課題。この課題に積極的に取り組み、解決していかないかぎり、ブランドの存在価値はなくなります。本来、SDGsへの取り組みは、本業とは関係のないところで、ただ木を植えたりすることではなく、やはり自分たちのビジネスの中でしっかりとやっていくことが重要だと考えています。
Daikinはアフリカのタンザニアでエアコンのサブスクモデルをスタートしました。現地で使用されているエアコンは省エネ性能が低く、壊れたまま放置されている「ゾンビエアコン」も多い。そこで、省エネ型のエアコンをサブスク制で利用してもらうことで、快適な生活と環境負荷の低減の両立をめざしています。この取組は東大のベンチャーとの共同事業により実現しました。自分たちだけでは出てこない発想であり、このスピード感での実現もなかったと思います。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

弊社の場合は、経営自身が半歩先、一歩先の視点で常にやるべき本質を押さえていて、なおかつチャレンジングなことにも取り組んでいるので、そこについていくのが大変なほどです(笑)。その意思をしっかりと理解した上で、着々と進めていくことがチャレンジに他ならないと考えています。
自分たちのビジネス、事業活動をしっかりと推進していくことが重要で、その活動がブランド価値を高めていくことにつながると考えています。

Brand Value Chart

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