Astellasアステラス製薬株式会社代表取締役社長 CEO 安川 健司 様 | インターブランドジャパン

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Astellas

安川 健司 様

アステラス製薬株式会社
代表取締役社長 CEO

Best Japan Brands 2022
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

貴社における経営において、ブランドとはどのような位置づけでしょうか?

「アステラス」という名前は、「星」を意味する様々な言葉から作られました。「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」というVISIONのもと、先端、信頼の医薬品、ヘルスケアサービスで健康を願う人すべてに明日への希望をもたらし、最先端の「価値」主導型ライフサイエンス・イノベーターとして発展していくという決意を象徴するものが、アステラスのブランドです。

近年、顧客起点、LTV (Lifetime Value) という概念がより重要視されてきている傾向にありますが、そうした既存顧客だけではなく将来の顧客、あるいはより幅広い生活者、社会との関係構築やそれに基づくブランドの在り方について、どのようにお考えでしょうか?

アステラスは、VISIONの実現に向けて、様々なステークホルダーと志を共有するため、「価値の共通定義」を設定しています。患者さん自身の健康というアウトカムだけではなく、ご家族や医療関係者など、アウトカム提供のための社会の負担、それに伴うコストを低減することも「価値」を大きくすることに貢献します。私たちアステラスは、この考え方をビジネスの中核に据え、すべての部門、地域に適応することで、医療により大きな貢献を果たすことができるようになると考えています。

事業・ブランド成長に向けて、社員の存在がより重要になってきている中で、ブランドに基づく企業のカルチャーづくり、それに基づく社員のエンゲージメントについて、どのようにお考えでしょうか?

私たちのVISION実現には、イノベーションを生み出し続けられる組織、多様な人材が活躍することが必須です。組織のポテンシャルを最大限に引き出し、グローバルで「One Astellas」として優れた実行力とイノベーションを生み出すため、社内環境を常に見直し、よりよい企業文化を構築することを「経営計画2021」の一つの柱に定めました。また、アステラスが掲げる「Astellas Way」、すなわち「患者志向」「主体性」「結果」「多様性」「誠実」という価値観は企業文化の礎であり、全ての行動の指針であることを日々のコミュニケーションを通じて浸透させています。

SDGsやサステナビリティが必須課題として設定されるような時代背景を踏まえて、ブランドの存在や役割は、どのように進化・変化が求められると思いますか? ブランドのパーパスに関するお考え、取組、ご検討状況なども交えて、お教えください

アステラスは設立以来、医療用医薬品の新薬ビジネスに特化しています。アンメットメディカルニーズを満たす画期的新薬を患者さんに届けることで保健医療へのアクセス向上、ひいては社会課題の解決に貢献することこそが、アステラスの存在意義と考えています。さらに、「経営計画2021」の中ではサステナビリティを経営戦略の一つの柱としており、ESGを考慮しつつ、社会およびアステラスの持続可能性を共に向上させていくことに全社で取り組んでいます。

このような環境の中で、今後さらにブランド価値を高め続けていくために、どの様なチャレンジを行うことをお考えでしょうか?

アステラスでは、細胞医療や遺伝子治療をはじめとする次世代の治療手段に取り組んでいます。これらは、薬を投与して病状を緩和する「対症療法」ではなく、病気の原因に直接働きかけることで、数回の治療により症状を大きく改善することや、身体を正常な状態に戻す「根本治療」です。根本治療ができれば、患者さん本人のQOL(生活の質)の改善はもちろん、社会復帰による労働力の向上、ご家族や介護者の生活改善が期待でき、社会全体にもたらす「価値」は極めて大きいと考えています。最先端の科学を患者さんの「価値」に変え、社会全体へと還元するため、絶えず進化を続けます。

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