Yamahaヤマハ株式会社執行役員 ブランド戦略本部 副本部長 兼 マーケティング統括部長大村 寛子 様 | インターブランドジャパン

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Yamaha

大村 寛子 様

ヤマハ株式会社
執行役員 ブランド戦略本部 副本部長 兼 マーケティング統括部長

Best Japan Brands 2021
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが4つの質問に答えるインタビューシリーズ。

これからの経営において、ブランドをどのような存在として位置付けていますか?

ヤマハは2019年に発表した中期経営計画を、私たちのブランドプロミスを冠した「Make Waves1.0」と名付けました。それが象徴するとおり、「ブランドの持続的成長」は経営の核であり、これからも「ブランドで企業価値を上げること」に注力していきます。
ブランドは、社内、社外への活動の指針です。コロナ禍で対外的な活動が制約を受ける今は、社内のエンゲージメントを高める機会と捉え、インターナルの取り組みを強化しています。重要なのは、自分たちにどんな貢献ができるのか、社員一人ひとりが自発的に考え、行動できること。社員がブランドの担い手として創造性を発揮できる環境を整え、社員を原動力にして、社会との繋がりを強化していこうと考えています。

これからの時代を考えたときに、ブランド成長を目指すうえで、これまでと比較して変えなければならない視点、変えない視点についてお知らせください。

どんな状況下でも、音や音楽を通じて「ワクワク」や「豊かな生活」、「自己実現」をサポートするというパーパスが変わることはありません。しかし、コロナ禍によってミュージシャンが困窮し、音楽を楽しむことにすら制約が生じている今、シンプルに良い商品の機能提供をするだけでは社会的責任は果たせないでしょう。ヤマハが出来ることは何なのか、顧客体験に着目しながら、音楽を通じて社会課題を解決し、豊かな生活の実現に貢献していきたいです。

今後、ブランド価値をさらに高めていくためには、どのようなことが大切だとお考えでしょうか?

音楽を通じた自己実現、豊かな心を涵養し、人との関係性を深めていくこと。そんな、ヤマハにしかできないことを、さらに具体化していきます。
離れていても音楽で繋がることができるリモート合奏サービス「SYNCROOM」や、言葉をメロディにのせて会話するコミュニケーションロボット「Charlie」もそのひとつです。私たちは、つい技術から入ってしまいがちですが、大切なのは技術視点ではなく、顧客視点。オンリーワンのすごい技術ではなく、エモーショナルな「感動」をつくれるか、という差別化を追求していきます。

今後、ブランド成長を目指し、具体的に予定されているアクションがありますか?

駅や空港、商業施設などのオープンスペースにピアノを設置し、誰にでも自由に楽しんでいただく「LovePianoプロジェクト」など、音楽と親しむ場を提供する活動を、より強化していきます。
さらに、楽器に使用する木材の森づくりを通じた持続可能な資源調達や、楽器演奏が盛んではない新興国への音楽教育支援など、中長期を見据えた活動をグローバルで展開していきます。社員自らがより積極的に社会貢献活動に参画できるような仕組みも考えていきたいですね。

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