Sekisui House積水ハウス株式会社コミュニケーションデザイン部 C Xデザイン室 室長足立 紀生 様 | インターブランドジャパン

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Sekisui House

足立 紀生 様

積水ハウス株式会社
コミュニケーションデザイン部 C Xデザイン室 室長

Best Japan Brands 2021
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが4つの質問に答えるインタビューシリーズ。

これからの経営において、ブランドをどのような存在として位置付けていますか?

激動の時代ともいえる昨今において、企業アイデンティティを社内、社外において明確化することが今後ますます重要になってくると考えています。創立以来、住まいと暮らしを考え続けてきた積水ハウスは、現代社会での存在意義を社員それぞれが自ら考え、理解したうえで行動できるような指針が重要であると考えています。
もう一つは、ステークホルダーがブランドに対して誇りを持てるか、いかにロイヤリティを高めることができるかも重要なファクターです。当社は「『わが家』を世界一 幸せな場所にする」という中期ビジョンを掲げています。当社が提供する住空間を通じて、お客様や社会に幸せを届けたい、そしてそこで働く社員にとっても幸せな会社にしていくため、ビジョンに磨きをかけてゆきたいと考えています。

これからの時代を考えたときに、ブランド成長を目指すうえで、これまでと比較して変えなければならない視点、変えない視点についてお知らせください。

現在の延長線上に未来が必ずしもあるわけではない、という意識は定着させる必要があると考えています。過去の成功体験を否定することなく、変化の必然性も社内に浸透させていきたいと考えます。
当社社長がよく使う言葉に「大義あるイノベーション」というものがあります。社会にとってポジティブな商品・サービスを、イノベーションの力で生み出し続けていきたいという理解をしていますが、これが変化に向けてのベクトルになるでしょう。社会との共生の中で、自社の強みを変化に生かしていきたいです。
当社は60年の歴史の中で、住宅のあるべき姿を常に創造し、具現化してきました。いま戸建商品の主力になっている、脱LDK思想の大空間リビング「ファミリー スイート」はその成果といえますが、技術力や顧客のよりよい生活を研究していく姿勢は今後も変わらず重要になってきます。

今後、ブランド価値をさらに高めていくためには、どのようなことが大切だとお考えでしょうか?

情報のスピードや流通の多様化によって、世の中の成熟度が一気に高まっているように思います。その中で、共生・社会還元などの姿勢が大切だと考えています。
また同時に、顧客の変化を敏感に捉える姿勢も重要です。世代間の価値観の乖離は想像を超えることが多く、当社内の意思決定権者の感覚がターゲットと合わないケースがこれからどんどん増えてくるでしょう。消費者マインドを理解したうえで、どんな価値観を提供していくのかは、まさにブランド作りにつながると考えます。

今後、ブランド成長を目指し、具体的に予定されているアクションがありますか?

米ホテル大手のマリオット・インターナショナルと道の駅に隣接したホテルを建設し、地方の隠れた魅力を渡り歩くという新しい旅のスタイルを提案した「Trip base道の駅プロジェクト」は昨年より全国展開がスタートしました。また、在宅時に非接触のバイタルデータから住まい手の健康を見守る「プラットフォームハウス」の実証実験開始や、窓を開けずに室内の換気ができる戸建住宅の次世代室内環境システム「SMART-ECS (スマート イクス)」の発売など、社会のニーズや地域貢献などを出発点にした取り組みが進行中です。今後も既成概念にとらわれない視点で「大義あるイノベーション」を具現化してゆきたいです。

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