これからの経営において、ブランドをどのような存在として位置付けていますか?
小売業界では長年、立地が大きな優位性として存在してきましたが、今や手のひらの中で、いつでも何でも好きなものが買える時代となり、立地が優位性を生み出すものではなくなりました。また、D2Cによる購入形態も大きなウェイトを占めるようになり、メーカーと生活者が直接つながる時代になりました。少し前までは我々が一番消費者に近いポジションにいたのが、今では「Matsumotokiyoshiで買う意味」が問われています。これまで以上にブランドの存在が重要になってきていることを痛感し、ブランド戦略は経営戦略の一つであると位置づけています。現在、PB(プライベートブランド)の構成比率は約12%で、残りの8割はNB(ナショナルブランド)です。他のお店でも同じものが売られている中で、ブランドは、PBなどの商品だけでなく、オフラインとしての店舗や、ソーシャルメディアの活用を含めたオンライン展開等、あらゆるタッチポイントを通じてマツキヨらしい顧客体験を創出し、買い物の楽しみや付加価値の創造、差別化や個性を生み出す源泉であると考えています。