これからの経営において、ブランドをどのような存在として位置付けていますか?
ブランドは、会社の大きな戦略と経営理念、企業文化をミックスした存在だと考えています。
ダイキン工業を象徴するのは「空気で答えを出す会社」です。「英知と情熱を結集し、空気と環境の新たな価値を協創する」という戦略経営計画のスローガンを、生活者にご理解いただくためにも、他社との共同研究を進めていくうえでも、ブランドは今後ますます重要になっていくと思います。
ブランドは、会社の大きな戦略と経営理念、企業文化をミックスした存在だと考えています。
ダイキン工業を象徴するのは「空気で答えを出す会社」です。「英知と情熱を結集し、空気と環境の新たな価値を協創する」という戦略経営計画のスローガンを、生活者にご理解いただくためにも、他社との共同研究を進めていくうえでも、ブランドは今後ますます重要になっていくと思います。
基本的に、これまでやってきたことを継続すべきだと思っていますが、新型コロナによって「空気で答えを出す会社」に対する期待値が高まり、社内でも「我々がやらなければ」という自負が高まりました。世の中の期待に応え、社会課題に対して解決策を示していくための新たな取り組み、俊敏な判断が今まで以上に必要になっています。
昨年はいち早く「上手な換気の方法」というコンテンツをつくり、SNSや報道で拡散、同時に「換気ができるエアコンあります」の広告展開の結果、「換気ならダイキン」という確固たるポジションを確立することができました。「空気で答えを出す」と言い続けてきたダイキン工業が何をすべきかを自らに問いかけ行動した成果です。先が読めない時代だからこそ、「やる/やらない」を俊敏に判断することが重要になっていると思います。
まず、何のためにブランド価値を高めるのかを改めて社員全員が確認することが大切です。はじめにブランドありきで進めようとすると、なかなか上手くいかないものですが、「経営計画を達成するためにブランドを高めていく」という座組みにすれば、それぞれの現場で腹落ちしやすい。社員一人ひとりが、「北極星(パーパス)」に基づいて、何に取り組むべきかを考え、俊敏に判断していくことで、結果的にブランド価値が高まっていくと考えています。
今回、弊社には「空気で答えを出す」という明確な「北極星」が根付いていたからこそ、それぞれの現場で迅速にアクションにつながる判断ができました。コロナ禍で顧客や社会の期待にどこよりも早く応えたことで、「換気はダイキン」というポジションを確立することができ、業績につながったと思っています。
ブランドを、次の中期経営計画の目標を達成するための「補助輪」と位置づけ、成長に向けて取り組んでいきます。
その中でも環境課題は喫緊の最重要テーマであり、「空気で答えを出す会社」としてぜひとも貢献しなければならない社会課題です。温暖化が進む中、先進国だけでなく、途上国でも、人々がエアコンを使った健康で文化的な生活が送れるようにしなければいけない。同時に、エネルギーを多く消費するエアコンによる環境課題を解決するために、ダイキン工業は何をするのか。この取り組みこそが、企業の成長につながり、ブランドを体現することにもなると考えています。