Ajinomoto味の素株式会社コミュニケーション部門&サステナビリティ推進部担当 執行役員森島 千佳 様 | インターブランドジャパン

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Ajinomoto

森島 千佳 様

味の素株式会社
コミュニケーション部門&サステナビリティ推進部担当
執行役員

Best Japan Brands 2021
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが4つの質問に答えるインタビューシリーズ。

これからの経営において、ブランドをどのような存在として位置付けていますか?

「パーパス」という視点がとても大事になってくると思います。これからは、生活者も単なるベネフィットではなく、企業の志や社会貢献度を見て商品を選ぶ時代。コーポレートブランドの重要性は、ますます高まっていくでしょう。AJINOMOTOでは、「コーポレートブランド価値向上」を新中期経営計画の目標の一つに掲げています。 当社では、企業価値を「ASV(Ajinomoto Group Shared Value)エンゲージメント」「コーポレートブランド価値」「時価総額」の3つの視点で捉えています。社員がASVを体現することで、コーポレートブランドの価値が上がり、時価総額の拡大につながると考えているからです。

これからの時代を考えたときに、ブランド成長を目指すうえで、これまでと比較して変えなければならない視点、変えない視点についてお知らせください。

アミノ酸のはたらきによって「食と健康の課題解決企業」になろうというビジョンやその実現に向けたアクション、顧客に寄り添ったコミュニケーションは、変えるつもりはありません。むしろ、コロナ禍において、目の前の課題がより明確になったと思っています。 ただ、エシカル消費やZ世代への対応、生活者の変化に応じた具体的なアプローチは変える必要があるでしょう。大切なのはスピード感です。弊社をはじめ、日本企業の多くは完璧なプランを立てて実行することをよしとする傾向がありますが、これからは走りながらチューニングしていくスタイルに仕事の仕方を変える必要があると感じています。

今後、ブランド価値をさらに高めていくためには、どのようなことが大切だとお考えでしょうか?

第一に、従業員のエンゲージメントが大切だと思います。従業員一人ひとりがビジョンを理解・共感し、誇りを持って仕事に取り組むことが成長の源泉になると考えます。 第二に、顧客から信頼と共感を得られる「AJINOMOTOらしさ」を打ち出していくこと。AJINOMOTOは「ウェルネス」を共創するというビジョンを掲げていますが、ニューノーマルな社会において「ウェルネス」という言葉は、多くの企業が掲げるキーワードになるでしょう。そのなかで、AJINOMOTOらしいアプローチ、ユニークネスをしっかりと打ち出してステークホルダーに共感・信頼してもらうことが重要です。

今後、ブランド成長を目指し、具体的に予定されているアクションがありますか?

前の回答にも関連しますが、当社の成長戦略の中核である健康栄養のとりくみにおいては①おいしさ、②アクセシビリティ、③地域の食生活の3つに妥協しないという当社らしいアプローチ「Nutrition without compromise」を策定しました。これに基づきコミュニケーションを展開し、グローバルでもキラリと光る存在感を示していきたいと考えています。またその中で、コアコンピタンスである「アミノ酸のはたらき」にもこだわっていきたいです。 もうひとつは、商品ブランドとコーポレートブランドの関係性の再構築です。AJINOMOTOは「ほんだし」や「クノール」をはじめ多くの商品ブランドを保有していますが、商品ブランドが創出する価値をコーポレートブランド価値向上に繋げていくことを、事業部門とコーポレート部門協働で「見える化」し推進していきます。

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