需要ショック:破壊的変化の管理をはるかにうまくできる企業とは | インターブランドジャパン

需要ショック:破壊的変化の管理をはるかにうまくできる企業とは

C Space Americans
President
Jessica DeVlieger

今や世界中の企業がビジネスにおいて“需要ショック”に備えています。需要ショックは管理が難しいだけでなく、売上にとって悪影響を及ぼす結果となります。インターネット上には、スーパーの空っぽの棚の写真やお手製の消毒剤の作り方などがアップされています。これらが示唆するより大きなリスクは何かというと、企業が失った顧客が二度と戻ってこないかもしれないということ、つまり、企業の成長の可能性を限定することになりかねないということです。

今や世界中の企業がビジネスにおいて“需要ショック”に備えています。

需要というシンプルな言葉には、所与の価格で買い物をするという意味があります。ショックとは、この行動様式に影響を及ぼす、想定外の変動のことを表します。

現在のショックの原因は、もちろん、新型コロナウイルス危機のことです。世界中で生活に大きな影響を与えており、人々の行動や消費行動を変え、需要増や需要減という“ショック”を生み出しています。

ビジネスにおいて、管理が難しいだけでなく、売上にとっても悪い影響があります。インターネット上には、スーパーの空っぽの棚の写真やお手製の消毒剤の作り方などがアップされています。これらが示唆するより大きなリスクは何かというと、企業が失った顧客が二度と戻ってこないかもしれないということ、つまり、企業の成長の可能性を限定することになりかねないということです。

しかしながら、このような破壊的変化の管理をうまく行っている企業があることを我々は知っています。コアとなる顧客を持ち、彼らとのオープンなコミュニケーションラインを持っているため、顧客が求める適切な方法で市場の変化に応えることができる企業のことです。こうした企業は自らの行動についても正確に予測することができ、素早く行動に移すことができるのです。

例えば、Instacart(インスタカート:米国にて食料品の即日配達サービスを運営する企業)は、継続的なカスタマーリサーチをすることによって得られたインサイトを元に、ドアのインターフォンを鳴らしてもらうのではなく、家の前に食料品が届いたことを写真付きの連絡でリアルタイムに受け取る“Leave at My Door Delivery”という配達オプションを提供する最初のサービスを提供する企業となることができました。

また、航空業界の需要ショックは深刻です。国際線の売上は630憶ドルに減少すると予想され、またいわゆる“ゴーストフライト”と地球温暖化とその影響の原因となる気候変動をめぐって想定外の論争も起きています。

業界の専門家は、差し迫った危機が去ったら、気候変動と新型コロナウイルスは、人々の旅行についてのこれまでの考え方を変えることになるのではないかと、ふたつの世界的危機の衝突について問いを投げかけ始めています。

観光旅行や、家族や友達を尋ねるための旅行の需要がなくなるとは考えにくいですが、新型コロナウイルスの発生によるリモートワークとオンライン会議への転換は、直接会って話す会議が必ずしも必要ではないことを示し、出張に劇的な影響を与えました。

危機が長期化すればするほど、こうした新しい慣習は染みついていきます。この様に変化していく顧客の好みは危機発生前の水準に戻ることはありません。

この様な変化の時代においては、コアな顧客グループとの親密で良好な関係が変化に対応していく上で、重要な役割を果たすことになるのです。何が顧客にとって本当に重要なのかを理解し、それを提供することは、顧客との売買の単なる経験や最安値であるという価値を越えた、ポジティブで、サステナブルな価値を創ることに貢献します。

もちろん、価格は価値を構築する役割を果たしますが、しかし、より深い感情的な要因は顧客に購入を促し、さらにロイヤリティをも築くことに繋がります。C Spaceの調査では、顧客エンゲージメントとロイヤルティにポジティブな影響を与える5つのキーとなる行動があることがわかりました。例えば、顧客がそのブランドを選ぶことを誇らしく思い、そのブランドを選ぶことで自分を賢く感じられるといったことです。

つまり、顧客が他の企業のものではなく、自分たちの商品を選ぶ情緒的な理由を深く理解することは、企業が今起こすべき行動と未来の行動につながるヒントを手に入れることにつながります。新しい需要は、変化の中に存在しています。そこには顧客がまだ気づいていない全く新しい潜在的欲求を浮き彫りに出来る可能性があるのです。
次に何が起こるのかを考える時、どのくらい自分が顧客についてよく知っているか、そして、どんな新しい羅針盤を創りたいと考えているかを自分に尋ねてみてください。

 

Translated and edited from “Demand Shock: Some companies are set up to manage disruption much better than others” in C Space,
Authored by Jessica DeVlieger

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