
Coronavirus: Brand Moves for Vol.24
2020.4.23
Interbrand Group
Chief Innovation Officer Chris Nurko
ファーストフードブランドのDenny’sは、オンラインゲームのブームに乗り、PS4とXbox OneでDennys247というゲーマーとして参加しています。また、Nintendo Switchでもプレイし、24時間以内にプラットフォーム上のフレンド数は上限に達してしまいました。このブランドは、ゲームでつながった人にコードや割引を提供したり、TwitterやInstagramでゲーム関連の投稿をしたりして、ファンとのエンゲージメント(繋がり)の強化を図っています。
ワークウェアブランドのDickiesは、親会社のVF Corporationと連携し、病院や医療従事者向けの、FDAに準拠した防護服の製造をまもなく開始すると発表しました。この医療用防護服は、連邦政府や州政府と協力して全米のコミュニティに配布される予定です。“Dickiesは何世代にもわたって働く人々に寄り添ってきました。この未曾有の危機に際して、最前線で働く医療従事者を支援する取り組みに協力します。作業着の長い歴史を持つブランドとして、特に仕事に従事することが難しくなった今、このパンデミックとの戦いを続けて下さっている医療に関わる人々に、身を守るために欠かせない医療用防護服をお届けすることに全力を尽くします。”とDickies Global Brand PresidentであるDenny Bruceは述べています。VF CorporationとDickiesは、来週から生産を開始し、5月には5万着の防護服を生産・納入し、6月までに67万5,000着、9月までには業界のパートナーであるMilliken & Companyの生地を使用して340万着の防護服を製造できる規模にまで拡大する予定です。これは、DickiesとVF Corporationが新型コロナウイルスに対応して、展開してきた他のいくつかの取り組みをさらに拡大するものです。これまでの取り組みには、VF Corporationが出資する民間の助成団体であるThe VF Foundationから地域社会への150万ドルの寄付や、米国最大の手術着のサプライヤーであるCareismetic Brandsとの提携による、打撃を受けた米国の病院へのDickiesブランドの手術着の寄付などがあります。
通常、春と夏のバーベキューシーズンが繁忙期であるホットドッグ・ブランドのOscar Mayerは、人々がご近所の方と話せるFront Yard Cookoutでのバーベキューを提案しています。そして、ご近所の方々とは、少なくとも12個のホットドッグ分は離れた距離を保つようにと呼びかけています。誰かが #FrontYardCookout でそのバーベキューの画像をアップするたびに、同社はFeeding Americaに1回分の食事を寄付します。Feeding AmericaはすでにKraft Heinzブランドからも100 万食の寄付を受けています。
Dysonの慈善部門である James Dyson Foundationはこのほど、隔離期間中に子供たちの心をくすぐる44のサイエンスとエンジニアリングの課題を発表しました。この財団のChallenge Cardsは、Dysonのエンジニアが子供たちのために考案したもので、好奇心旺盛な若い心を刺激し、エンジニアリングに興味を持ってもらうことを目的としています。Challenge Cardsには、ダンボール製のボートを作ったり、風船で動く車を走らせたり、スパゲッティでゴールデンゲート・ブリッジのレプリカを作ったりするような、さまざまな課題が含まれています。
英国の携帯電話業界、銀行・金融部門と政府のNational Cyber Security Centre(NCSC)は協力して、新型コロナウイルスの大流行を悪用した詐欺メールを送信する犯罪の防止に乗り出しました。業界横断的な取り組みの一環として、Mobile Ecosystem Forum(MEF)は、企業や組織が実際のメールを送信する際に送信者IDを登録して保護することができる”ホワイトリスト“を作成しました。
これによって、送信者が本物の登録者であるかどうかをまず確認することで、犯罪者が特定のブランドや政府機関と同じ送信者IDを使ってメッセージを送信することを難しくしています。現在、約50の銀行や政府のブランドが、この活動の一環として保護されており、172の信頼できる送信者IDが登録されています。
McDonald’sは、Thank You Mealsの宣伝にこれからの2週間注力します。これは感染者を最初に助ける緊急医療従事者に無料の食事を提供する新しい取り組みであり、これまでで最大の新型コロナウイルス関連のマーケティング活動です。新型コロナウイルス関連に取り組むことより、外食産業を停滞させない努力が表れています。
英国のメディアブランドであるThe Telegraphは、この世界的な危機とは別のニュースや情報を伝えるために、新型コロナウイルスの記事を掲載しない週刊ニュースレターを立ち上げました。COVID-19のニュースから離れたい、逃げ出したい、あるいはそれ以外に世界で何が起こっているのかを知りたいと思っている人を対象としています。Editorial Newsletters編集長のKirsten Powleyは次のように述べています。“この新しいニュースレター、Telegraph In Other Newsは毎週火曜日の午後に無料で配信されます。世界的な危機下にあるとはいえ、COVID-19とは関係のないニュースを知りたいと思う方々がいらっしゃると思います。それが現実逃避であれ、気晴らしであれ、あるいは他に何が起こっているのかを知るためであれ、このニュースレターがパンデミック一色の報道からの息抜きになればと思います。世の中に溢れるパンデミックの報道に私たちは圧倒されています。そのすべてから遠ざかることは容易ではありません。 私たちがパンデミックから物理的に逃れることができない場合は特に困難です。”
店舗や遊園地などのレストランが閉店する一方で、一部のブランドは、そのブランドらしい料理を間接的に提供し続けています。それは家庭料理を通じて。例えば、スウェーデンのホームウェア大手IKEAは、おなじみのミートボールのレシピを公開し、Disneyはディズニーランドなどで提供される料理のレシピを掲載しています。
非営利団体COVID Tech Connect (CTC)は、テクノロジー関連メーカーに入院患者へのWi-Fi対応デバイスの寄付を呼び掛けています。病院が感染を広げるリスクを恐れ、家族や友人の面会を禁止している中、入院中の患者が愛する人とビデオチャットができるようにするためです。New York Nurses Unionの人々が、 COVID-19 流行の大混乱の中でも、家族が愛する人と連絡を取り合うことができるようにスマート・デバイスの寄付を準備していると言うことを、技術物流会社Loop and TieのCEO、Sara Rodellが聞きつけ、CTCが動きました。”私たちは3,000以上のデバイスの寄付を目標にしており、その達成のために話し合いを続けています。 Microsoft、PCS WirelessやPrestoなど、デバイスを提供してくれるパートナーからとても良いお話をいただいており、近々改めて発表いたします。“とRodellは述べています。
広告不況に直面して、英国の子育てサイトMumsnetは、その20年の歴史の中で初めて、 不足の一部を補う試みとして、有料会員モデルに転換しました。月額£4.99 ($6.15)で、 Mumsnetプレミアム・ユーザーとなり、広告表示の少ないサイトにアクセスすることができます 。(ディスプレイ広告が削除されますが、ネイティブ広告は残ります。)また、そのプレミアム・ユーザー特典として、間もなくサードパーティ企業からの割引やオファーへのアクセスが含まれるようになり、ユーザーによるスレッドのフィルタリングや投稿を編集する機能などのフォーラム機能が追加されます。”現時点では非常に限定されたもので、どちらかというとおまけのようなものですが、本当に素晴らしい独占的な割引を提供してくれるパートナーと提携し、プレミアム・ユーザーにとってお得になるようにしていきたいと考えています。“と創業者のJustine Robertsは述べています。Mumsnetは、100万人の登録会員のうち約10万人が、徐々にプレミアム・ユーザーとして登録することを目標に掲げています。Robertsによると、危機前から有料会員の計画がありましたが、現在の危機がその開始を早めることになったということです。
アニマルシェルターやレスキューでは、ペットを引き取る人が増えています。Central California SPCAによると、シェルターに入ってくる動物は多くないが、引き取り手が見つかった犬や猫が増えているとのことです。アニマルシェルターの関係者は、ステイ・ホームが解除されると、ペットを返す家族が出てくるのではないかと心配しています。そのため、Humane Society of the US(米国動物愛護協会:HSUS)のカリフォルニア州ディレクターは、引き取られた動物が新しい家にずっといることができるようにする方法を考えています。“私たちは、人々が経済的な問題でペットを手放さないように、ペットフードや獣医のサービスを提供するような対策を試みています。”と、Sabrina Ashjianは述べています。
関連ニュースとして、オンラインペット用品専門のChewyは、Humane Society of the United States (米国動物愛護協会:HSUS)に加盟し、HSUSのPets for Life(PFL)とRural Area Veterinary Services(RAVS)プログラムを通じて、十分なサービスを受けられない地域で暮らす人々やペットのためのフードサポートを拡大するために100万ドルを寄付することを発表しました。どちらのプログラムも、ペットを手放すという難しい決断を迫られることなく、家族が自宅でペットを健康に保つことができるように、ペットの保護者とペットのヘルスケア・パートナーを支援しています。今回の提携は、Chewyが貢献している一連の救援活動の最新のもので、合計400万ドル以上のペット用品を全国に寄付しました。”Chewyのミッションは、ペットの保護者の役に立つことです。私たちは、今まで以上にその約束を果たすことに尽力しています。100万ドルの寄付で、COVID-19のために経済的な苦境にある何百万人ものペットの保護者の手に必要とされる物資を直接お届けでき、支援を継続できて光栄に存じます。ペットが健康で幸せに、家で過ごせるようにすることで、このプログラムは全国の人々を助けることになるでしょう。“とChewyのCEOであるSumit Singhは述べています。
Translated and edited from “Coronavirus: Brand Moves for Thursday April 23” in Brandchannel,
Authored by Chris Nurko