Coronavirus: Brand Moves for Vol.16 | インターブランドジャパン

Coronavirus: Brand Moves for Vol.16

2020.4.9
Interbrand Group
Chief Innovation Officer Chris Nurko

手芸品、アート、ヴィンテージ品の電子商取引サイトのEtsyはアメリカのホームページですべての職人に、あるプッシュ通知を出しました。”Calling all sellers(すべての出品者へのお願い)“という通知で“Start making face masks.(マスクを作り始めて下さい。)”と呼び掛けました。このウェブサイトにはホームメードのマスクがどんどん集まっています。Etsyによると3月は平均して2秒に1回マスクに関する検索があったということです。先週は1万以上の出品者が最低1枚のマスクを売りました。アメリカの病院で供給が大幅に不足している医療用のものとは違い、布マスクはミシンとゴム紐があれば、誰にでも作ることができます。Etsyの多くの職人のスキルは突然大人気になりました。EtsyのCEOであるJosh Silvermanは次のように記しています。“Etsyのコミュニティは世界的な健康危機に際して重大なニーズに対応することができました。Etsyの出品者が作る非医療用マスクのおかげで、マスク用布の不足が緩和され、医療用や外科手術用のマスクが、それを最も必要としている前線で働く医療関係者にもっと届くようになれば嬉しいです。今まさに、私たちの社会の在り方を変えるであろう、先例のない瞬間です。また、これはEtsyのコミュニティが結びつきを強め、一緒に何か大切なこと、世の中、世界の役に立つ何かをする機会でもあります。”

ソーシャル・シェアリングのツールであるSnapchatの最新のAR フィルターによって、WHOのCOVID-19 Solidarity Response Fund(Covid-19連帯対応基金)にユーザーが直接寄付できます。Snapchatのカメラで、ユーザーは33か国の23種類の通貨をスキャンできます。また、AR フィルターでWHOへの寄付が患者のケアや、医療用品や研究にどのように使われるのかを見ることができます。ユーザーは寄付をし、友人にも寄付を勧めます。さらに、SnapchatはそのDiscover platformでCOVID-19を取材しているメディア関係者にも、swipe-up-to-donate(画面に指をタッチしてすべらせるだけで寄付できる)機能を紹介しています。これまでに、6,800万人以上のSnapchatユーザーがプラットフォームで新型コロナウイルス関連のコンテンツを閲覧しているため、この機能は膨大な数のユーザーに到達する可能性があります。 Snapchatによると、アメリカのZ世代の人々の40%が記事を読んだということです。

現状のメディア業界の逆風にも関わらず、新聞や雑誌の出版社であるHearst Corporationは、同社のニュース編集室の人々に、コロナウィルスを報道している間に、解雇、一時解雇や減給などは行わないと話しました。Hearst社のCEOであるSeven Swartsは、編集者たちに、すべての従業員に1%のボーナスを出し、追加功労賞与の基金を作り、エグゼクティブの賞与を決める予算目標額を無くすと伝えました。他の系列新聞社や独立系の新聞社は、突然の新聞広告の低迷を受け、一連の賃金カットを行っています。 対照的に、Hearstは、パンデミックと不況に関する包括的な地域の報道は、公共サービスの取り組みを紹介し、読者を増やす機会であると判断したようです。

Bitcoinコミュニティは、イタリアの赤十字を支援するために、仮想通貨による寄付を通じて1か月弱で32,000ドル近くを集めました。この寄付金は、ローマ近郊のCastel Gandolfoの町に、最初の高機能医療用テントを作るために使われました。また、この寄付金により、イタリアの「献血の日」のために空気圧式テントを購入し、このテントは献血前の検診のためのスクリーニング・ステーションとして使われました。“資金調達の最初のマイルストーンに到達し、大変嬉しい限りです。頂いた寄付金で形のある援助施設を作ることができました。Bitcoinコミュニティからこのようなご支援をいただき感謝いたしております。”とイタリアの赤十字社の社長、Bruno Pietrosantiは語りました。

紅茶のブランドのPG Tipsは、社会からの隔離と孤独の問題に取り組む英国の慈善団体Re-engageと提携し、2,000人のボランティアのトレーニングを行い、ロックダウン中の高齢者を支援する100,000人のボランティアをサポートしました。今回の危機が起こる前には、Re-engage(以前のContact the Elderly)は、月例のティーパーティーのような定期的な社会活動を行い、約14,000人のボランティアのネットワークを通じて8,500人近い高齢者を支援していました。 PG Tipsは、高齢者に電話をかけて励ます「コール・コンパニオン」のボランティアに資金援助をしています。このサービスにより、他に全く頼る人のいない高齢者に支援のネットワークを提供しています。

より多くの実業会のリーダーやエンターテインメント業界の著名人がさまざまな慈善団体や支援団体への多額の寄付をし始めました。 最近の例では、Elton JohnがHIV感染者を保護するために100万ドルのコロナウイルス基金を設立し、 Dell Technologiesの創設者であるMichael Dellとその妻であるSusanは、新型コロナウイルスとの戦いのために慈善基金を通じて1億ドルを寄付しています。 オンライン・ギャンブルの会社であるBet365の創設者兼共同最高経営責任者であるDenise Coatesは、コロナウイルスと戦う人々を支援するためにNHSトラストに1,000万ポンド(1240万米ドル)を寄付しました。 SpanxIncの創設者兼CEOであるSara Blakelyは、Covid-19危機下で支援が必要な女性起業家に500万ドルを寄付しています。この寄付により、1,000人の女性中小企業経営者にそれぞれ5,000ドルが提供されます。 Patrice Motsepemは南アフリカの億万長者にして、African Rainbow Mineralsの創設者で会長です。彼はパンデミック撲滅のために、5,700万ドルを寄付します。 資金は政府を通じて、水、健康、教育施設を建設するために使われます。メディアのビッグネームであるOprah Winfreyは、国中の、そして彼女が育った地域の新型コロナウイルスに苦しむアメリカ人を支援するために1,000万ドルを寄付します。寄付の一部である100万ドルは、America’s Food Fundと呼ばれる新しい基金に送られます。UBSのCEOであるSergio Ermottiは、家族財団を通じて100万ドルを寄付し、寄付金は最も危機の影響を受けているスイス最南端のティチーノ州で緊急援助資金を必要としている人々に送られます。 Li Ka Shing財団の会長であるLi Ka Shingは、武漢の第一線で働く医療従事者を支援するために1,300万ドルを寄付しました。

Barclays銀行は、新型コロナウイルスの大流行とその影響に対処する慈善団体に1億ポンド(1億2,300万ドル)を寄付する予定です。新型コロナウイルスによって影響を受けた脆弱な人々を支援する慈善団体、および、危機による社会的および経済的影響を緩和させるために奔走する慈善団体に5,000万ポンドを寄付すると同行は火曜日に発表しました。さらに同行の従業員の寄付金額と同じ金額である5,000万ポンドを追加で寄付することも決定しました。一方、英国の最大手の銀行の多くは、最高経営責任者の給与カットを発表しました。 HSBCLloydsNatwest を傘下に持つRoyal Bank of ScotlandのCEO達は、2020年のボーナスを放棄し、多くの幹部が給与の一部を慈善団体に寄付しています。たとえばBarclaysのトップ、Jes Staleyは給与の3分の1を寄付すると公表しています。 RBSのCEOである Alison Roseは、RBSの会長であるSir Howard Davies、HSBCの最高経営責任者であるNoel Quinn、財務の責任者であるEwen Stevensonと同様に、給与の25%を寄付することに同意しています。HSBC会長のMark Tuckerは、2020年の給与のすべてを慈善団体に寄付しています。

靴のブランドであるTOMSは、様々な団体を通じた慈善のための寄付を長年提唱してきましたが、純利益の3分の1をCOVID-19 Global Giving Fundに寄付することを発表しました。TOMSが長年にわたって協力してきたこの基金を支援するもので、3ドルの収益につき1ドルをこの基金に寄付します。”TOMSは常に人々の生活の向上を目的としてビジネスを行ってきました。その使命は、私たちと私たちのコミュニティにとって重要なものです。今、過去14年間の寄付活動を通して学んできたことを、これまでにも増して、この世界的な健康危機への対応に役立てることができ、光栄に思います。”と、TOMSのChief Giving OfficerであるAmy Smithは述べています。

Delta航空は20万ポンド(約91,000キロ)以上の食料を世界中の病院やそれぞれの地域のフードバンク、その他の組織に提供しています。デルタ航空が顧客と従業員との接触を減らすために機内やDelta Sky Clubsでの食事サービス提供を減らしてからは、生鮮品と非生鮮品の両方を寄付するようになりました。食事サービスを減らしたことによって、乗客に提供する前に賞味期限が切れてしまう食料品が残ってしまい、従業員チームはすぐに使用してくれる団体と協力して寄付活動を進めています。Delta航空は、多数のフードバンクを支援する非営利ネットワークであるFeeding Americaのような組織と長年良い関係を築いています。パンデミックの間、それぞれの地域のFeeding Americaの組織は、困窮する人々に寄付金を配布しています。さらにDelta航空は、Linton Hopkins, NewrestやSodexoなど、長期に亘るフードサービスのパートナー企業に、必要な人材を提供し、彼らの地域社会への貢献を支援しています。4月には、COVID-19危機の最前線にいる医療関係者への無料フライトの提供を開始し、Delta航空の100%出資の航空機内装子会社であるDelta Flight Productsを使い、病院で働く人々を保護するフェイスシールドの製造を開始しました。

パンデミックが会社の従業員に与える経済的影響を和らげるために、多くのエンターテイナーがMGM Resorts International Employee Emergency Grant Fund (MGM リゾーツ・インターナショナル従業員緊急助成金基金)に寄付をしています。寄付をした芸能人の中には、David CopperfieldJay LenoBill MaherKathleen MadiganDavid Spade and Boyz II Menなどがいます。新型コロナウイルスのパンデミックのため、3月中旬にその傘下のリゾート施設などを休業にした際に、自宅待機もしくは解雇を予定していたフルタイムで働く従業員に、給与を支払うか、もしくは最後の勤務日から2週間分の給与を支払い、且つ、すべての健康保険プランを2020年6月30日まで維持することを計画しているとMGM Resortsは話しています。現在ネバダ州は、生活に必要不可欠でないすべての事業において、休業期間を強制的に4月30日まで延長しています。“平常時には世界中からのお客様に素晴らしい体験をしていただくために尽くしてくれている、私たちのエンターテインメント・パートナーからの支援に心から感謝しています。”とMGM ResortsのCEO兼社長代理のBill Hornbuckle氏は述べています。同社も、この基金へ100万ドルの拠出を約束しました。この基金は、緊急事態や予期せぬ苦難が起こった際のMGMの従業員とその家族に短期的に資金援助を提供することを目的としています。

イングランドプレミアリーグのサッカー選手たちは、NHS(国民健康サービス)の資金集めるために共同プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、#PlayersTogetherと名付けられ、新型コロナウイルスのパンデミックの中、NHSの最前線で私たちのために戦っている人たちの支援を目的としています。SNS上の 150 人を超えるトップ選手たちが投稿した声明によると、彼らは次のように述べています。“それぞれのリーグやクラブで話し合っていることとは別に、自発的なプロジェクトを創るために協力しています。その志は、この国の多くの人たちと一緒に、真の変化をもたらすために、挑戦し助け合っていくことです。”

 

Translated and edited from “Coronavirus: Brand Moves for Thursday April 9” in Brandchannel,
Authored by Chris Nurko

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