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Brandが真に意味するものとは:InterbrandのRebecca Robinsが「One Question Debates」に登壇



「ブランドが真に意味するところは何か?」をテーマに「One Question Debates」のプレミアが2018年2月ロンドンで開催され、スピーカーとしてInterbrandのGlobal Chief Learning and Culture OfficerのRebecca Robinsのほか、Aston MartinのDan Balmer(President UK & South Africa)、Sony MusicのFred Bolza(VP Strategy)、 IPAのSarah Golding(President)、Royal Air Force Charitable Trust EnterprisesのShane Bellamy(Marketing Director)、3Monkeys ZenoのSarah Ogden(Head of Corporate Communications)らが登壇した。討論の枠組みを示すスピーチを行うため招かれたRebeccaは、自身の考えを次のように述べた。

 

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クレージーな人たちがいる

反逆者、厄介者と呼ばれる人たち

四角い穴に打ち込まれた丸い杭のように、

物事をまるで違う目で見る人たち

彼らは規則を嫌う

彼らは現状を肯定しない

彼らの言葉に心をうたれる人がいる

反対する人も称賛する人もけなす人もいる

しかし彼らを無視することは誰にもできない

なぜなら、彼らは物事を変えたからだ

彼らは人間を前進させた

彼らはクレージーと言われるが、

私たちは天才だと思う

自分が世界を変えられると

世界を変えられると本気で信じている人たちこそが、

本当に世界を変えているのだから

 

ーーApple ”Think Different” キャンペーン(1988年)より

 

 

これは30年前、Appleが行った「Think Different」キャンペーンのコピーです。Appleはこの広告で人間味あふれたテクノロジーについてのビジョンを示しつつ、その語り口で当時注目を集めました。この力強く心を打つメッセージは今なお私たちを捉えて離しません。

 

考えてみれば「Think Different」は文法的に間違っています。このブランドは自分でルールを打ち立てること、規範から外れること、独自の言語的・視覚的・経験的辞書を作ることから生まれました。そして「世界で最も価値の高いブランド」の地位を占めるまでに成長したのです。

 

「あなたひとりの時代(The Age of You)」

2014年、Interbrandは「あなたひとりの時代(The Age of You)」に関する調査を実施し、近代ブランディングの歴史を通じてブランドの役割がどう進化してきたかを考察しました。

 

「アイデンティティの時代(The Age of Identity)」では、ブランドはアイデンティティを示し差別化する役目を担い、ブランドコミュニケーションはもっぱら一方通行でした。

 

しかしその後、最初の転換点となる「価値の時代(The Age of Value)」を迎えます。ブランドは富を生むもの、ブランド価値はバランスシート上で評価されるものだと企業が認識するようになりました。ブランドは、いわば「役員室の椅子を確保した」のです。

 

「経験の時代(The Age of Experience)」に入ると、ブランドはつながったエコシステムを生み出すより高い次元の目的を持つようになります。

 

そして「あなたひとりの時代」を迎えた今、ブランドは消費者のパートナーになりつつあります。

 

ブランド体験は唯一無二かつ高度にカスタマイズされたものになってきており、ブランドの業績はデータを把握・活用したり、新たな参加を生み出したりする能力で測られるのです。

 

ここで「ブランドとは一体何なのか」について考えるため、ブランドが担っている、また担いうる多くの役割を考えてみましょう。

 

・ブランドとは差別化をもたらすもの

・ブランドとはキュレーター

・ブランドとは共同制作者

・ブランドとは教育者

・ブランドとは案内役

・ブランドとはエンタテイナー

・ブランドとは文化

・ブランドとはアクセスの管理者

・ブランドとはクラブやコミュニティ

・ブランドとはエコシステム

 

ブランドの役割

ブランドの役割はまだ他にもあり、進化を続けています。ここでは「アクセスの管理者」および「クラブやコミュニティ」に注目してみましょう。NetflixはInterbrandの「Best Global Brands」に昨年新たにランクインしたブランドの一つで、つい数週間前に時価総額が1,000億ドルを突破したと発表しました。同社はオンラインサービスを基盤にビジネスを成長させているブランドの代表格です。

 

一方で会員制クラブ運営会社のSoho House Groupが計画しているIPO(新規株式公開)についての最近のニュースを考えてみると、いわゆるクラブブランドの人気は、インターナルの場やコミュニティにアクセスできるメンバーシッププログラムのビジネスモデルに基づいており、そういった魅力を守りつつ株主利益の要求にいかに応えていくかが試されることになります。

 

過去40年を振り返ってみれば、Interbrandは都市のデスティネーションブランディングから市場を一変させるM&Aに至るまで、あらゆるものをブランド化してきました。通貨をデザインし、世界的に有名なアーティストやスポーツ選手のブランド価値を算出し、カテゴリーを再定義する体験を生み出し、一般語化したブランドを取り上げてきました。これら全てを結ぶ一本の赤い糸が「人々」です。ブランドは人々によって、人々のために作られるのです。

 

新・ルネッサンス

新たなルネッサンス期を迎える今、人間性とテクノロジー、アートとサイエンスの融合がかつてないほど必要となってきます。その中心にいるのは人々です。すぐれたブランドはその中から生まれます。そうしたブランドは、強固な目的意識や極めて明快な共通の文化によって持続し成長を続けます。

 

私は変革をもたらすものとしてのブランドの役割やブランドの潜在力に勇気づけられます。課題に挑み、新たな基準を打ち立て、既成概念を破る、そんなブランドのことを考えてみてください。持続可能なブランド価値の真の意味とはこれなのです。

 

「反逆者やはみ出し者」、そして私たちに違った角度から考える(また行動する)よう背中を押したブランドがあります。まだそれをしていないブランドもあります。ブランド、そしてその陰には人々がいます。私たちには世界を変える力があるのです。

 

 

Translated and edited from “What Does a Brand Really Mean?”, February 28, 2018, brandchannel.com

Authored by brandchannel