「Brand relevance」とは? AXA グローバルブランドディレクター Paul Bennet氏に聞く | インターブランドジャパン

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「Brand relevance」とは?
AXA グローバルブランドディレクター
Paul Bennet氏に聞く

絶え間ない変化の波が押し寄せる中、ブランドは時代遅れにならないよう顧客の期待に応えて進化していく必要に迫られている。日々新たなトレンドが生まれ、競争は激しさを増し、異業種からディスラプター(破壊者)が参入し、人々の要求も高まるばかりだ。

そんな中、Relevantな(要求を満たすような)ブランドであり続けるにはどうすればよいのか、AXA Groupのグローバルブランドディレクター Paul Bennet氏が自身の視点や知見を語ってくれた。20年以上にわたるマーケティングの経験を持つ同氏は、AXAのグローバルブランド戦略・ブランドマネジメント、広告、コンテンツを推進する責任者を務めている。2010年からパリのAXA Groupで主要なグローバルブランディングプロジェクトの指揮を執っているが、その成果としてAXABest Global Brands Top100において保険ブランド世界1位の座を8年間維持、2015年には初めてTop Global 50にランク入りを果たし、同社のブランド価値を110億ドル超に押し上げた。

 

顧客の期待がブランドよりも速く変化し、選択肢が急激に拡大する今、人々の要求を充足するブランドであり続けるにはどうすればいいのでしょうか?

「今の時代にブランドのRelevance(要求の充足)を保つには、単に良い製品をタイミング良く適正な価格で出すだけでは不十分です。重要なのは研究開発の質や革新のスピードではなく、大小を問わずパーソナライズされたニーズを予測するAlways-Onの能力であり、それができてこそ企業は繁栄し成長を続けられます」

「そのためには取引や製品ではなく、顧客との関係に焦点を絞ることから始めなくてはなりません」

「顧客との関係を築くには強力なブランドの構築が必要ですが、われわれ保険業界のように従来顧客とあまりエンゲージしてこなかったカテゴリーにおいて、このことは特に重要となります」

「最初のステップは、当社が何を体現するのかについて極めて明確な意識を持つことです。われわれが何者で顧客をどこに連れて行きたいのか、それを私たち自身が分かっていない限り、顧客とエンゲージすることなど期待できません。当社では新たなブランドポジショニング “Know You Can” を発表する前、1年半をかけて全世界のグループ社員への調査とエンゲージメントを行いました。目標を達成するため自らの役割を見つけられるようにすることが目的です」

「私たちのブランドは、“顧客に補償を提供するビジネス”から人々に力を与えるビジネス”へと大胆な転換を図っています。当社のような保険業界の世界的リーダーにとって、『人々がより良い人生を生きられるよう力を与えること』は決して簡単ではありません。それを確固たるものとし、誰もが元気づけられるようにするには、体験の指針を与え、イノベーションのヒントを与えるものとなることが必要なのです」

「重要なのはブランドの目的であって、ブランドメッセージではありません。ブランドの目的とは、顧客対応から製品開発、デジタル体験マネジメントに至るまで、一連の行動を指します。Relevanceを維持するにはこれらが実際に実行されなければなりませんが、時間がかかりますしコミットメントも必要です。プロセスを加速して認識を変えるには、顧客体験をデザインし直すことと、状況を一変させる行動を見出すことの両方が必要となります」

「例えば、AXAは世界最大の資産運用会社の1社でもありますが、口先だけでなく実際にタバコ産業への投資から手を引くことで変化を起こしました。これに加え、顧客が禁煙するための支援やインセンティブを提供することによって、極めて現実的なやり方で当社の目的を顧客に見せることができます。これは顧客の健康を気遣う行動であるだけでなく、積極的かつ力を与える方法です」

「これらの象徴的な行動はコミュニケーションのテクニックではなく、私たちが顧客に提供したいエンパワリングな体験となる取り組みです。それを真の意味で実現するには、Top to bottomで行うことが必要です。例を挙げると、当社のLiverpool Football Clubとのパートナーシップ締結は単なるブランド認知への投資ではなく、このパートナーシップを通じて、人々がよりアクティブな人生を生きること、自分自身を信じられるよう後押しすることを目指しています。いずれのブランド資産も、当社の目的のもとに存在する必要があります」

「今述べたのはTop to bottomの例ですが、ループを完成させるにはBottom to topであることも必要です。ブランドとの関係が深まれば深まるほど、顧客は私たちがより良い会社となり、もっと予見できるよう手助けしてくれます。私たちがもっと重要で役立つ存在になるには粘り強く取り組まなければなりませんが、それには顧客と共に創り上げるプロセスを構築すること、単にリサーチだけでなく対話をすることが必要です。確かにAIは便利ですし、行動の解析もしてくれますが、結局のところRelevanceを実現する顧客との対話の質こそが重要だと考えています」

 

Translated and edited from “AXA’s Paul Bennet on Brand relevance”, September 3, 2019, brandchannel.com.

Authored by Maria Barea

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