Citiのスポンサーシップ担当責任者、Tina Davisへの5 Questions 国際パラリンピック委員会との契約について聞く | インターブランドジャパン

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Citiのスポンサーシップ担当責任者、Tina Davisへの5 Questions
国際パラリンピック委員会との契約について聞く

Citiは世界の大手銀行の1つであるだけでなく、数多くのスポーツスポンサーシップを行っていることでも有名だ。中でもMLBのNew York MetsとそのホームグラウンドであるCiti Fieldはよく知られている。

そして新たに、Citiは最新のスポンサーシップとして、2020年までの国際パラリンピック委員会(以下:IPC)のインターナショナルパートナー契約を締結し、世界・地域の選手権大会および2020年パラリンピック東京大会に向けて18カ国のパラリンピック委員会(以下:NPC)を支援することを発表した。

IPC が推進しているパラリンピックムーブメントとCitiとの関係は、2012年、米国オリンピック・パラリンピック選手団へのスポンサーシップを機に始まった。Citiはすでに現地拠点を通じ、スポンサーとなるNPCの18カ国(豪州、台湾、コロンビア、コスタリカ、英国、香港、インド、インドネシア、アイルランド、マレーシア、メキシコ、ナイジェリア、フィリピン、ポーランド、シンガポール、南アフリカ、タイ、アラブ首長国連邦)で顧客へのサービスを行っている。

Citiのスポンサーシップ・マーケティング担当マネージングディレクター Tina Davis氏は、brandchannelに「当社とIPCおよび18カ国のNPCとのパートナーシップは、Citi史上初めてのグローバルミッション主導のスポンサーシップとなります」と語る。「私たちはパラアスリートのレベルの高い圧倒的なパフォーマンスへの支援を続けており、世界の舞台で闘う彼らを支援できるのが楽しみです」

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brandchannelはスポンサーシップの重要性やIPC・NPCへのCitiの新たなスポンサーシップについて、Davis氏に聞いた。

brandchannel (以下bc): スポンサーシップはCitiにとってどのような意味がありますか?

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TIna Davis(以下TD)「Citiのスポンサーシッププログラムは、成長と前進を可能にする当社のミッションを表明するものです。私たちはこの意味あるパートナーシップ活動の全てを通じて、顧客・消費者・社員を引き込んでいます。ブランドの構築、各事業部門の支援、社員の参加や動員、当社が社会に及ぼしている好影響の紹介等を目的として、各プログラムの活性化を目指しています」

「私たちはこうしたパートナーシップ機会を、常に当社のKPI(主要業績評価指標)と同じように評価しています。KPI評価はブランド、社会的影響、事業部門目標の支援、顧客ホスピタリティ能力、社員エンゲージメント機会などにプラスの効果をもたらしています」

「つまるところCitiにとってのスポンサーシップとは、サービスを提供しているコミュニティに遺産を残し、より豊かで共生可能な社会の実現に向けて努力をすることです」

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bc: Citiは社会的影響をもたらすスポンサーシップパートナーやプロパティーの選定に投資されていますが、それはいつ頃から重要になったのでしょうか。またそれを重視されている理由は何でしょうか?

TD「当社は2011年、スポンサーシップの機能について、集中化・明確化しました。ニューヨークや世界の都市・コミュニティにおける当社のネットワークの大きさを考えれば、スポンサーシップは、私たちが事業を展開する地域における”最高の支援者”になるための、Citiに課せられた責任であると考えています。ビジネスの場面では、規模の大小を問わず顧客企業の成長をサポートしながら、顧客への利益の提供や資産の維持、運用等によって、”最高の支援者”であろうとしています」

「スポンサーシップでは、単に何かに社名を付けるということではなく、ローカルレベルで実際に影響をもたらすことを目指しています。例えば慈善団体”No Kid Hungry”とのパートナーシップでは、Citi FieldでNew York Metsの選手がホームランを打つごとに、2,000ドルを同団体に寄付しています。これは援助が必要な子供たちの食事2万食分を賄える額で、2016年以来累計で600万食近くを提供してきています。また、ニューヨーク・ハーレムの食の祭典 Harlem EatUp! やフードコート Urbanspaceとのパートナーシップを通じて小規模のローカル企業経営者への支援も行っています」

「このほど発表したIPCおよび世界18カ国のNPCとのパートナーシップにより、当社のパーパス・ドリブンなアプローチを世界規模でスポンサーシップに拡大できることに大きな喜びを感じています。サービスを提供するコミュニティが成功すれば私たち自身も成功できる、ということが、私たちCitiの揺るぎない信念です」

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br:  国際パラリンピック委員会とのパートナーシップについてお聞かせください。アイディアはどこから来たのですか? また、どのように活用するのでしょうか。

TD「IPCとのパートナーシップは、これまで当社が行ってきたパラリンピックムーブメントへの支援をさらに発展させるためのまたとない機会であり、さらに多様性に富む社会、様々な人々が参加できる社会の実現を目指すというCitiとIPC共通のミッションを強化するものでもあります。IPCとの協力関係を通じ、Citiはパラリンピックムーブメントに関与したり支援し続けたりする機会を、世界に20万人以上いる当社社員に提供することができます」

「パラリンピックムーブメントと当社の初めての公式なパートナーシップは2012年、オリンピック・パラリンピック ロンドン大会で、米国のオリンピック・パラリンピック選手団をスポンサーした時でした。以来、Citiは8名のパラリンピック選手を支援しています。彼らを当社のキャンペーンの中でも起用していますが、最も注目を集めることとなった広告となっています」

「2018年には、豪州で開催されたIWRFウィルチェアーラグビー世界選手権、アイルランドで行われた世界障がい者水泳欧州選手権、インドネシアのアジアパラ競技大会、ボゴタ(コロンビア)のワールドパラリフティング中南米選手権のスポンサーを務めています」

「私たちはパラアスリートたちのレベルの高い圧倒的なパフォーマンスに深い感銘を受けており、世界の舞台で勝負に挑む彼らを支援することを大変楽しみにしています。Citiは、パートナーシップを結んだNPCの各国に事業拠点を展開していますので、Citibankの支店やその他の場所で統合的マーケティングキャンペーンやプロモーションを実施し、人々とのつながりを深めることを考えています。そうすることで大会への関心を高め、当社の社員や消費者をパラスポーツのファンにし、障がいをめぐる議論を変えていきたいのです」

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br: 料理スポンサーシップに対する関心について聞かせてください。またUrbanspaceにおける最近の成功の理由は何でしょうか?

TD「ターゲットとなる消費者や当社社員が何に関心を持っているかを調べたところ、料理への関心が際立って高く広範にわたっていることがわかりました。それが料理そのものに対するものなのか、外食または食のエンターテインメントなのかはともかく、料理に対する”食欲”があるのは明らかでした」

「CItiはコミュニティが繁栄するためのサポートや、小規模な地元企業の成長を支援する新たな機会を常に探しています。料理分野には実体経済の成長を可能にするユニークな力があるだけでなく、世界で膨大な額に上る料理産業への投資の一部を獲得できる絶好のビジネスチャンスもあるのです」

「私たちがUrbanspaceと協力したのもそういった理由からです。彼らは公共の場所を没入型の体験ができるマーケットに転用することで、小規模事業主やスタートアップ企業、コミュニティを支えています。そうしたノウハウを持つ彼らは、まさに理想的なパートナーでした」

「彼らとのパートナーシップの一環として、ローカルの料理起業家3人による各自の料理のプロモーションや、街で開催されるポップアップマーケットに足を運ぶ地元消費者とつながりを持つための費用を当社がサポートしています」

「さらに、ハーレム地区の小規模の料理ビジネスを讃える食イベント Harlem EatUp! や、ニューヨークのフードビジネス起業家の成長を支えるFood Business Pathwaysプログラムとのパートナーシップも実施しています」

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br: 今後5年間でスポンサーシップをめぐる環境はどう変化すると考えていますか? また、これからもスポンサーシップで際立った存在でいるために、Citiは何を行っていくのでしょうか。

TD「今後5年についても、スポンサーシップは”お金では買えない”ユニークな体験の企画や、消費者との情緒的つながりを育む取り組みに重点を置くことになるでしょう。実際にどのようなものになるかは、時間が経たないとわかりませんが。スポンサーシップエンゲージメントが進化を続けるにつれて、Citiのエンゲージメントモデルやアクティベーションも進化していくでしょう」

「ひょっとしたら、5年後にはホログラム体験がもっと普及しているかもしれません。仮想現実は今と全く違うものになっているでしょう。スポンサーシップにおけるブランドの見え方も、今とは全く違っているのではないでしょうか。スポンサーシップエンゲージメントの次の波に乗るために、私たちが最大限柔軟になれるような取引をすることは、以前からCitiが非常に重視している点であり、今後も強化していくつもりです」

「現在主流になりつつある、実績ベースの効果測定の導入も検討しています。こうしたタイプの測定を取り入れることで、スポンサーシップのビジネス業績への影響を考える最前線にい続けたいと考えています」

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Translated and edited from “IPC Sponsorship Deal: 5 Questions With Citi Managing Director Tina Davis” 
December 13, 2018, brandchannel.com

Authored by brandchannel

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