トヨタブランドへの5Questions | インターブランドジャパン

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トヨタブランドへの5Questions

1) ブランドをめぐる環境はどのように変化をしてきているでしょうか。またそうした大きな流れの中で、TOYOTAはどのように変化しようとしているのでしょうか。

100年前、米国に1,500万頭いたとされる馬は、現在では1,500万台の自動車に置き変わりました。いまはその時と同じか、それ以上のパラダイムチェンジを迎えており、まさに、自動車業界は「100年に一度の大変革の時代」に入っていると言えます。「電動化」「自動化」「コネクティッド」「シェアリング」などの技術革新は急速に進み、新しい競争ルールで、新しいライバルたちとの闘いが始まりました。クルマの概念そのものが変わろうとしているのです。

これからのクルマは、情報によって、町とつながり、人々の暮らしを支えるあらゆるサービスと繋がることによって、社会システムの一部になります。それは、これまでのビジネスモデルそのものが壊れる可能性があるということを意味しています。

こうした大変革期に突入した中で、トヨタは「自動車メーカー」から、モノづくりを中心に、モビリティに関わるあらゆるサービスを提供する会社、「モビリティカンパニー」「モビリティサービス・プラットフォーマー」にフルモデルチェンジすることが必要であると考えています。

 

2) 新たなブランドのあり方に向けて、TOYOTAではどのように強みを活かしてそれを実現しようとされているのでしょうか。

これから先、どんなにクルマが進化したとしても決して変わらないものがあると思っています。それは、クルマは「リアルの世界」で使われるということです。

私たちは、100万台規模で量産し、一度、世に送り出した製品は、10年後も、20年後も、安全で、安心して使い続けていただける「リアルの世界」を作って来ました。

この「リアルの世界」で培ってきた私たちの競争力は、大きくまとめると3つあると考えています。

一つ目は、「トヨタ生産方式(TPS)に基づくモノづくりの力」です。これこそが、トヨタグループのすべての競争力のベースであり、今後も磨き続けていくべき、ブレない軸といえます。「常に今よりも、もっと良いやり方がある」と考え、失敗の中から学び、さらに良いやり方につなげていく。イノベーションはどこからか突然訪れるものではなく、インプルーブメントが呼び込むものだと考えています。この改善の力こそが、これまでも、そして、これからも私たちの持続的成長を支える競争力の源泉だと思います。

二つ目は、世界中に張り巡らされた「ネットワークの力」です。全世界の約16000拠点にのぼる販売拠点をはじめ、グループ会社や仕入先などの巨大なサプライチェーン等、これらのネットワークを、自動車の製造・販売だけでなく、新たなサービスにも活用していくことができれば、私たちの未来は大きく広がります。これからは、お客様との接点となる「ラストワンマイル」が勝負を分ける時代です。クルマだけでなく、住宅やコネクティッド事業を自前で持っていることも私たちの大きなアドバンテージになると思っています。

三つ目が「保有の力」です。トヨタ車とレクサス車の全世界の保有台数は1億台以上にのぼります。創業から80年以上、お客様に向き合い続け、お客様と築き上げてきた信頼関係があるからこそ、実現できる世界があると思っています。これから新しいモビリティやサービスを提供していく上で、トヨタを信頼してくださるお客様が世界中にいらっしゃることこそが、何にも替えがたい私たちの財産です。

こうした3つの力は、モノづくりの世界で闘ってきた私たちが持つ、一朝一夕ではつくれない「リアルの力」であり、これを磨き続けることが、トヨタオリジナルの競争力を高めることにもなると考えています。

 

3) 予想を超えるスピードで変化を続けるお客様、さらには社会の期待に対応するために、必要なものとは何でしょうか。

お客様の期待に応える新たな提供価値やサービスを生み出し、それに伴いクルマの概念が変わっていけば、当然私たちのビジネスモデルも変えていく必要があります。

CASE」の時代を迎え、FCVEVの導入を進めるにあたり、私たちがやらなければならないことは何なのか?それは、「普及」です。環境技術は普及しなければ地球環境改善に役立つことはできません。そう考えた時に、これまでとは違う発想が必要になります。乗用車や個人向けにこだわらず、商用車や官公庁、法人から広げていく。単独開発にこだわらず、仲間と共同で開発する。特許を囲い込むのではなく、開放して仲間を増やす。クルマだけではなく、使い方とセットでシステムを売る。つまり、これまでの発想を転換し、より幅広く、よりオープンに、より良い社会への貢献を追求することが、新しいビジネスモデルにつながるのではないかと考えています。

これから先は、人々の暮らしを支える全てのモノ、サービスが情報でつながっていく時代に入っていきます。私たちのビジネスを考える上でも、クルマ単体ではなく、クルマを含めた町全体、社会全体という大きな視野で考えること、すなわち、「コネクティッド・シティ」という発想が必要となります。そこでは、「競争と協調」、特に「協調」の精神が重要になってくると思います。

「仲間づくり」がキーワードです。「どんな未来を創りたいのか」という目的を共有し、お互いの強みを認め合い、お互いの競争力を高め合いながら、協調していくことが求められると考えています。

私たちトヨタは、地球環境に優しく、交通事故のない社会、全ての人が自由に楽しく移動できるFun to Driveな社会の実現を目指していきます。しかしながら、私たちが求める未来は、トヨタだけでは創ることができません。グループ会社はもちろん、他の自動車メーカーとの連携、「コネクティッド・シティ」を支えるあらゆるモノ・サービスを提供する仲間との連携を強化していきたいと思います。こうした取り組みを進める中で、私たちが目指す「モビリティカンパニー」としてのビジネスモデル、「モビリティサービス・プラットフォーマー」への道が拓けてくると考えています。

 

4) 電動化、特にEVに関する取り組みについて、もう少し具体的にお伺いできますでしょうか。

まず、電動化推進における長期的な目標についてですが、トヨタでは新車から排出される走行時のCO2排出量を、2050年には、2010年に比べて90%削減するという、長期的な目標を掲げています。そのマイルストーンとして2030年の新車販売においてHVPHV450万台以上、EVFCV100万台以上、合計で電動車を550万台以上とするという目標を2017年に発表しました。現在、この目標を上回るスピードで電動化が進展しており、おそらく5年近くは先行する見込みです。

超小型EV

電動車両のうち、走行中にCO2を排出しない、ゼロエミッションヴィークルについても、様々な取り組みを進めています。一つ目は、超小型EVや歩行領域EVなどを活用したビジネスモデル構築にまず、日本で挑戦を始めており、2020年には発売が開始されます。二つ目は、中国、米国、欧州などの市場ができつつある地域に向けては、ミディアムセダンやミディアムSUV、コンパクトなど様々なタイプのEVを、それぞれの得意分野を持つパートナー企業の皆様と共同して効率的に企画・開発を進めていきます。そして三つ目は、商品力向上のキーである電池について、高性能、特に劣化しにくい電池に拘って開発し、さらに、電動車の急速な拡大に対応するため、世界の電池メーカーと協業し供給体制の整備を進めています。

グローバル展開のEV

 

5) この先のブランドの取り組みで最も大きな機会、わくわくするような取り組みとは何でしょうか。

 
Mobility For All

やはり、開催までいよいよ1年を切った東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における取り組みです。

オリンピック・パラリンピック ワールドワイドパートナーとして大会をサポートするトヨタは、東京2020大会において①すべての人に移動の自由を(Mobility for All)、②水素社会の実現を核としたサステナビリティ(環境・安全)、③トヨタ生産方式(TPS)を活用した大会関係者輸送支援、を3つのテーマとし、従来の車両供給の枠を超えたモビリティソリューションの提供を目指して取り組んでいます。

東京2020オリンピック・パラリンピックを多様なモビリティでサポート (video)

多様なモビリティとTPSを融合したモビリティソリューションを通じ、東京2020大会のスムーズな運営及び来場者・関係者の方々の移動をサポートします。また、ロボットを通じて、競技観戦体験や運営の支援を行い、従来のモビリティの概念を超えた、様々なモビリティソリューションの提供を通じて、今までオリンピック・パラリンピックを体験できなかった方々も含めた「すべての人に移動の自由を」提供することにチャレンジしていきます。

Toyota Personal Mobility | 歩行行領域EV | すべての人に移動の自由を (video)

『移動』は、人やモノが実際に動く『物理的な移動』だけではなく、アバターやエージェントなどを介し、自分の一部分もしくは全体を仮想的に遠隔地に移動させる『ヴァーチャルな移動』、さらに移動による新たな体験や出会いから生まれる人の気持ちの動き“moved”、すなわち『感動』も移動だと考えます。東京2020大会では、すべてのお客様の『移動したい』という想いに寄り添い、お客様にスポーツが生み出す『感動』やスタジアムの熱気を感じていただくお手伝いができればと思います。

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