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アリーナ観点から見た「Play市場」の可能性

「Arena」―、従来の想定や想像を遥かに超えたスピードで技術⾰新が⾏われ、あっという間に人々の標準となる商品やサービスへの急速なシフトが顕著な市場のひとつに、「Play」マーケットが挙げられます。

ほんの数年前まで、アメリカのティーンの間では、友達とショッピングモールに集まって遊ぶことが休日の最もクールな過ごし方の一つでした。今ではモールへの関心は急速に薄れる一方、10代の約50%が Fortniteで新たな仲間や友人を見つけ、つながり、「世界を救って」います。また、16歳以下の子供たちの67%は、今やゲーム界の巨人となったRobloxを毎日プレイしており、その2020年の売上は約12億4,000万ドルに到達しました。Robloxの時価総額は、バービー人形やきかんしゃトーマス、UNOなどで知られるMattel社の約7倍、483億ドル(2021年10月現在)に達しています。

モールだけではありません。かつて若者文化を象徴していたファストフードチェーン、映画館、スポーツスタジアムと言った場所も、急速にその存在感を薄めつつあります。さらに現在のアメリカにおけるスポーツカテゴリーを見ると、ミレニアル世代の67%が、自分がスポーツファンであると思っているのに対し、Z世代におけるその割合は53%に減少。また2021年のスーパーボウルの観客数は15年間で過去最低を記録しています。NFLの視聴率はこの7年間で12.5%低下し、野球、バスケットボール、サッカーの若者の参加率は15年間低下を続けています。

これらの事象は、決まった時間に行われる長時間のゲームに立ち会うよりも、「好きな時に、好きな場所で、好きなことをしたい」、ストリーミングプラットフォームで「テンポの速いストーリーを楽しみたい」という現代の若者たちの嗜好を象徴するものと言えるでしょう。

この傾向は音楽イベントにおいても同様です。例えば2016年にビヨンセが行った「The Formation World Tour」は、全49公演で約250万人動員という記録的な数字を残していますが、2020年にトラビス・スコットがFortnite上で行った5回のオンラインコンサートの参加者は、桁違いの2,700万人にも及んでいます。

このようなゲームやeスポーツ、音楽イベント、さらにはアート体験やクリエイティブな活動など、参加・交流・創造・観賞・体験・学習、そして新たな消費をもたらす「Arena」視点で捉えられるデジタル上の「Play」マーケットは、総額で約7.1兆ドルと推定され、アメリカ人が1日に「Play」に費やす延べ時間は約32億4,262時間にものぼるなど、もはや巨大市場と呼べる規模に成長してきているのです。

変化は、すでに日本でも始まっています。リビングであなたの隣に座っている子供たちは、実際にはメタバース(オンライン上の仮想空間)にいて、世界のたくさんの仲間たちと共にバトルロイヤルを繰り広げたり、自国代表としてチェッカーフラッグを目指し、最終ラップに突入しているかもしれません。はたまた企業からのファンドを受けてクリエイティブな創作活動を行っているかもしれません。

人々や社会にとって、変化が続くこれからの時代を可能性に満ちたものとする(The Decade of Possibility)ためにも、「Arena Play」のさらなる可能性に、今後も目が離せそうもありません。