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Yamaha Motor

木下 拓也 様
ヤマハ発動機株式会社
取締役 上席執行役員

Best Japan Brands 2026
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。達成できたこと、やり残したことなど、お聞かせください。

昨年、ヤマハ発動機では、コーポレートブランディング戦略を経営会議のアジェンダのひとつと位置付けました。これによって、これまでのブランド活動から一歩踏み出し、改めて誰に何を伝えて、どう見られたいのか、生活者にどのような行動変容を起こしてほしいか、一年かけて戦略的に議論してまいりました。戦略化はできたので、今後は実行ベースだと考えています。
もうひとつはVIの一新です。音叉マークをフラット化。併せて長期ビジョン「ART for Human Possibilities」を体現するビジュアルコンセプトも、これまでは立体物でつくってきましたが、それを映像化することで、デジタルへの最適化ができたと感じています。
一方で、ヤマハ発動機は「感動創造企業」を目指していますが、これまでは入口(購入)のN数を増やすことに主眼を置いていました。しかし、感動が生まれるのは商品を買った後。ブランドの価値観を増やすためには、入口だけではなく、その奥に踏み入ることがさらに重要になってまいります。顧客との関係づくりが課題だと思っています。
一昨年にスタートした、社員が自ら実質的にブランドを体現していく活動「NEXT KANDO ACTIONS」の社内浸透と深化は大幅に進んできた実感はありますが、グローバルへの拡大はこれからです。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください。

最大の変化は設楽新社長の指揮下で、ブランド統括部が社長直下になり、全社の取り組み全てがブランディングにつながることがより意識されるようになった点です。
2018年につくった長期ビジョン「ART for human possibilities」は、人の可能性を広げることで人を幸せにする、感動をつくることをテーマにしています。当時は技術も環境も過渡期で、メッセージが鮮明に伝わらなかったかもしれませんが、いまや世界中がこちらに向かっています。その意味で、この長期ビジョンをリアルな成長戦略として実現していくことが、次のテーマだと考えています。
AIやフィジカルAI、エージェントAIなどが出てくるほどに、人間ってなんだろうという問いが生まれます。AIによる生産性向上で余暇が拡大すれば、楽しむことがもっと注目されるでしょう。創業者の考えである「生活を楽しむ」ことを、改めて自らに問い直すことが必要なのかもしれません。
一方で、外部要因としては、トランプ関税をはじめとする不確実性にどう対応していくか。変化に強い構造改革をどう進めるか。そこで明日の収益をつくる成長戦略を実行することが我々に問われています。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後の中長期スパンでの経営目標や、その達成に向けたブランディングの役割、活動予定等について、お考えをお聞かせください。

さまざまな変化の中で、経営とブランドをどう一致させ、それぞれの成長に繋げるか。中長期の戦略とセットで、ブランドに対するコミットメントをしっかり発揮することに挑み続けます。
ブランド委員会の目的のひとつは、グローバルでブランドをアクティベートしていくことにありますが、多様な事業や市場の中でコーポレートのメッセージは、どうしても商品や市場特性に引っ張られがちです。だからこそ、できるだけシンプルを目指したい。シンプルなほど薄まらないと考えています。本質は何か。それを探り続け、そこが伝わるよう、丁寧なコミュニケーションデザインをつくっていきます。