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Shiseido

橋本 美月 様
株式会社資生堂
執行役チーフブランドオフィサー

Best Japan Brands 2026
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。達成できたこと、やり残したことなど、お聞かせください。

2025年は2024年に発表した構造改革の主要なアクションを完遂し、次なる成長への基盤を強固にできた1年だったと考えています。米州事業の減損計上等により最終損益は赤字となったものの、コア営業利益は大幅な増益を達成することができました。プロダクトブランド・商品に関しては、スキンケアを中心に、長年培ってきた皮膚科学研究と日本発の美意識を掛け合わせた価値提案を強化した結果、コアブランドが中心となり成長を牽引しました。グローバル市場におけるブランドメッセージの一貫性や急速に拡大するデジタル接点での体験設計については、まだ伸びしろがあると考えています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください。

社会や経済の不確実性を背景に、生活者が自分にとっての価値を冷静に見極める「選別の時代」が本格化しました。また「成分・エビデンス志向」がトレンドとなり、効能を訴求する商品がお客さまの支持を得る一方で、感性価値も重要視され、消費の両極化が進んでいます。ひとりの人の中でも、理性と情動の両方が存在していることを表していると感じます。こうした変化の時代において、資生堂の強みは、サイエンスを核に持ちながら、感性や文化的価値を統合した世界観を発信できることであり、それは長年の歴史とともにDNAとして継承してきた価値そのものだと思うに至っています。その価値をお客様に感じていただくために、研究成果をよりわかりやすくお伝えし、リアルのカウンセリング体験とデジタル接点を融合させながら「伴走型のブランド体験」を構築できるよう取り組んでいます。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後の中長期スパンでの経営目標や、その達成に向けたブランディングの役割、活動予定等について、お考えをお聞かせください。

今年1月、横浜の研究開発拠点にある「Shiseido Beauty Park」内に「Shiseido Art & Heritage Passage」をオープンしました。アートの視点から五感を通じて資生堂の歴史と美意識を体感できる空間になっています。2025年に発表した2030中期経営戦略では、自分たちのエトス(魂)に沿った拡張とはどういうものかを考え、改めてオリジナリティを振り返る取り組みを始めています。ブランディングは、研究、商品、体験、社会的姿勢を一貫したストーリーとして結実させることだと考えています。変化が激しい市場環境においては、アジリティー(俊敏力)が重要ですが、私たちが大切にしてきた真摯で丁寧なものづくりは時間がかかるものです。従って、ジャパンクオリティへの信頼感を担保しながら、生活者ニーズへの即応性を高める、私たちなりの解を見つけていくことがチャレンジです。ビジョンスローガン「一瞬も 一生も 美しく」のもと、揺るがない哲学と革新を両立させ、日本発の美意識をグローバルに発信していきます。