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Rakuten

河野 奈保 様
楽天グループ株式会社
取締役 副社長執行役員
Group CMO (Chief Marketing Officer)

Best Japan Brands 2026
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。達成できたこと、やり残したことなど、お聞かせください。

楽天グループでは、「AI-nization」をテーマに掲げ、ユーザー、ビジネスパートナー、そして従業員のさらなる成長に向けて、ビジネスのあらゆる面で AI の活用を推進する取り組みを行っています。2025年は私が管掌するマーケティング領域でも、AI起点の変化が一段と加速した一年でした。楽天グループでは、AIを組み込んだマーケティングを「構想」から「実装」へ前進させることができたと感じています。業務オペレーションでは、既存の業務フローにAIを“組み込む”段階から、AIを前提にフローそのものを再設計する段階へ移りつつあります。 
楽天グループの70以上のサービスと1億以上の会員基盤、購買・行動データに、楽天モバイルを通じた通信の接点が加わったことで、顧客データ基盤は飛躍的に拡充し、分析と活用も進化しました。だからこそAIを単なる機能ではなく、生活者の意思決定に寄り添い伴走する“新しい体験のインターフェース”として捉えています。現在楽天グループでは、楽天市場や楽天トラベルなど複数サービスでエージェント型AIの実装を進めています。具体例として楽天市場では、AIコンシェルジュが対話を通じてニーズを深掘りし、約5億点の商品群から最適な提案と新しい出会い(ディスカバリー)を生む体験を提供し始めました。さらに「Rakuten AI」をゲートウェイとして、ショッピング、フィンテック、旅行、エンタメなどのサービスをシームレスにつなぐ実装を段階的に進め、よりパーソナライズされた体験を広げ始めています。 

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください。

最大の変化は、AIが想定以上のスピードで生活に溶け込み、生活者の意思決定そのものが再設計され始めたことです。マーケティングも従来のやり方では通用しづらくなっています。
今企業に求められているのは、ブランドとして「何を語るか」だけではなく、「どう判断してきたか」を示すことだと思います。「情報は探されない」「比較は要約される」という時代において、ブランドは今まで以上に一貫性を持ち、信頼を資産として積み上げることが重要になります。私たちは、あらゆる接点において、我々のミッションである「人々と社会をエンパワーメントする」を実感できる体験とコミュニケーションを設計し、ブランドを進化させていきたいと思っています。 

問3. Challenge – 未来への課題:

今後の中長期スパンでの経営目標や、その達成に向けたブランディングの役割、活動予定等について、お考えをお聞かせください。

楽天エコシステム(経済圏)において複数サービスの利用者を増やし、メンバーシップバリューを持続的に伸ばすことを経営目標としています。楽天エコシステムも、ブランド、ID、データに加え「Rakuten AI」をその中心に捉え、楽天モバイルの通信によるコミュニケーションを基盤としながら、各サービスを“点”ではなく“体験の線”でシームレスにつなぐ形へ進化しています。 
AIによって、よりパーソナライズされたコミュニケーションの実現が可能になる一方で、鍵になるのは生活者一人一人と向き合う姿勢だと考えます。楽天というブランドを信頼し、ご愛顧いただき、継続的にご利用いただくこと。AIとともに生活者の視点に立ちながら「人」を中心に考え、判断に責任を持つこと。この意識を常にもちながら、ブランドとして、マーケティングとして、真正面から磨き続けたいと考えています。

✻メンバーシップバリュー:「ユニークユーザー数」×「クロスユース」×「ライフタイムバリュー」で算出される顧客生涯価値