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ASICS

甲田 知子 様
株式会社アシックス
常務執行役員

Best Japan Brands 2026
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。達成できたこと、やり残したことなど、お聞かせください。

ここ数年、「世界で最も好まれるパフォーマンスブランド」になるというスローガンを掲げ、シェアのみならず、お客様とのエンゲージメント拡大を推進してきましたが、業績的にも5年連続増収増益を達成できたのは非常に大きかったです。
社内では、25年を「Year of Japan」と位置付け、世界陸上、デフリンピック、万博を通して、ブランドを刷新していくことにチャレンジしてきましたが、とりわけ東京世界陸上という大きな大会で、マラソンのスタートラインに立つ選手の約40%にアシックスを選んでいただけ、パフォーマンスランニングの存在感を示すこと、一定のプレゼンスは取れたのかなと考えています。
社会課題の解決という意味では、一般財団法人「ASICS Foundation」の設立も大きな出来事でした。事業だけではリーチできない人たちの心身の健康に貢献することは創業の理念でもあります。
やり残したことと言えば、ランナーのレース登録・トレーニング・レース参加を包括的にサポートするサービス「Running Ecosystem」で積み重ねてきた点のサクセスを、よりシステマティックなサクセスに繋げることで顧客体験価値をさらに高めていくこと。実現にはローカルチームのスキルが求められますので、その体制づくりを進めているところです。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください。

テクノロジーの変化に伴い、お客様の情報入手環境が大きく変わっています。ASICSは顧客体験をなによりも重視していますが、情報の多くが、インフルエンサー経由でお客様に伝わることも増え、そこでパーソナライズやキューレーションがされてしまう中で、正確な情報をきちんと伝えることが、より重要になっています。リアルな場で、こころを動かす体験を創っていくことがますます必要になるでしょう。幸い私たちはリアルなタッチポイントをたくさん持っていますので、うまくバランスをとっていきたいですね。
そのようななかでも、AIによる変化については肯定的に捉えています。オペレーショナル・エクセレンスを掲げ、デジタルを活用した高収益体質への転換を進める中で、ASICSでは全員がAIを使える環境にあり、業務の効率化を進めています。おかげで、戦略的なところに時間を割けるようになりました。
とはいえ状況は日々変わるので、向かっていく方向と、今の刈り取りの二層で考えないといけない。先だけでなく、冷静に足元も見て、フレキシブルにやっていくことが大切だと思います。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後の中長期スパンでの経営目標や、その達成に向けたブランディングの役割、活動予定等について、お考えをお聞かせください。

ASICSでは、米欧を中心に海外売上比率が80%を越えていますが、研究機関は日本にしかありませんでした。さらなるグローバル成長のために、自前主義から脱却。アメリカに加え、ヨーロッパでの研究拠点開設も検討し、イノベーションのスピードを加速していきます。イノベーションに関しては、自分たちが一番でないこともあります。いいパートナーシップを育てることが重要だと考えています。
アジアでの成長ももう一つのチャレンジです。今年、愛知・名古屋アジア競技大会が名古屋で開催されますが、そこに来場する選手や団体、ビジネスパートナーといい関係を深めていくことは、アジアのマーケットで成長する機会に他なりません。
より長期的なチャレンジとしては、やはり「サステナビリティ」でしょう。健やかな心と体を育むためには、健やかな地球環境が必要ですから。このチャレンジにはゴールがありません。ずっと取り組み続けていきます。