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Mitsui Fudosan

平原 秀人 様
三井不動産株式会社
広報部 部長

Best Japan Brands 2025
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。 各社のブランドリーダーが 3つの質問に答えるインタビューシリーズ。

問1. どんな1年であったか:

この1-2年を振り返ってみて、貴社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか?
「ひと言」で表現するとすれば、どんな言葉で表すことができるでしょうか。その「ひと言」の背景や意味合いなどもお聞かせください

コロナ終息とともに、社会・経済が本格的に新たなステージに入り、「失われた30年」を取り戻すように大きく動いていることを実感しています。社内でも2023年には12年ぶりのトップ交代があり、グループとして大きな「変革」「進化」の時期を迎えています。昨年、新たな長期経営方針「& INNOVATION 2030」を策定し、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という新たな理念を込め、従来から使用してきているグループロゴ「&マーク」も「&」をより明確に、しなやかで強靭なシンボルマークへと改定しました。また、経営理念を凝縮したコーポレートメッセージ「さあ、街から未来をかえよう」と共にブランドコミュニケーションも一新し、不動産業の枠を超えたさらなる事業の成長、ひいては日本経済の発展、新たな産業創出につながるような価値創造に向けて、積極的に取り組みを始めています。

問2. Change – 変化と対応:

この1-2年において、様々な変化があったものと思われますが、貴社にとっての主な変化とその対応について、お考えをお聞かせください

デフレの時代から付加価値を正当に評価する時代へと変化し、賃上げの動きとともに経済の好循環が生まれてきていることを感じています。このような機会を捉えて、今後日本経済の競争力をさらに高めていくためには、産業を強くすること、つまり新産業や新しい需要の創造が不可欠だと考えています。私たちには、およそ半世紀前に高度経済成長時代の急速な都市化への対応として日本初の超高層ビル霞ヶ関ビルを建設してきたように、いつの時代も事業の価値創造を通じて社会課題を解決してきたという自負があります。そして、近年は、「場」と「コミュニティ」の提供を通じて、産業創造に貢献する「プラットフォーマー」としての役割を強く意識しています。実際に、江戸時代から医薬領域の集積地である東京・日本橋を「ライフサイエンスの聖地にしたい」との強い想いから、産官学の様々な人々とのつながりや交流を通じて、ライフサイエンス領域のオープンイノベーションの創出をめざしています。さらに、2040年には世界で100兆円規模にもなるという宇宙産業分野において、JAXAをはじめとする有志の皆さまとともに宇宙ビジネスの共創にも取り組んでいます。
また、このようなグループの変革を実現する戦略全体を支える重要なインフラとして、「人材」「DX」「ESG」を引き続き強化していきます。

問3. Challenge – 未来への課題:

今後 (これからの1-2年で)、貴社の事業やブランドにとってどのようなこと(変化)が起きると考えていますか?その変化による課題に対して、どのような準備が必要だとお考えでしょうか

「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によってさらに大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。昨今、特にグローバルにおいては、多様な価値観から生じる分断や対立による争いが数多く起こっています。そうした時代だからこそ、私たちが掲げている「&マーク」の精神、すなわち一見対立する概念であっても、人と人とのつながり、対話を通じて、新たな価値創造の中で融合を図り、対立を解決していくことが求められているように思います。
私たちも、不動産の枠を超え、さまざまな分野における事業やコミュニティづくりを通じて、社会・企業・人々の叡智を結集することで、不動産デベロッパーの域を超えた「産業デベロッパー」というプラットフォーマーとして、新たな産業の創造に貢献していきたいと考えています。