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Resona

南 昌宏 様
株式会社りそなホールディングス
取締役兼代表執行役社長兼グループCEO

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

昨年、りそな改革のスタートから20年の節目を機に、パーパス「金融+で、未来をプラスに。」を策定し、まもなく1年が経過します。このパーパス起点のブランディングは、緒に就いたばかりですが、その方向性には、少しずつ手応えを感じ始めています。金融を取り巻く事業環境は大きな転換点を迎えており、お客さまとともに、さらなる成長を目指していくためには、まず自分たちが変革に挑戦し、いち早く変化に適応し続けなければなりません。今年度スタートした新中期経営計画では、CX(コーポレート・トランスフォーメーション)の最初の1,000日と位置づけ、時代の変化に対して、ミスマッチが生じている事業やそのプロセスを変革していくつもりです。そして、その起点となるのがブランディングだと捉えています。

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

お客さまの困りごと、社会課題の解決を起点に、改めてビジネスを考え直すことが重要だと考えています。 
長期ビジョンとして掲げる「リテールNo.1」の実現に向けては、我々の強い想いとお客さまのりそなグループへの想いを、可能な限り共鳴させていきたい。そして、りそなグループが提供する価値を、お客さまにも深くご理解いただいたうえで、サービスをご利用いただきたいと考えています。そのためには、りそなグループの根っこにあるもの、大切にしているものが、まず共有されている必要があります。パーパスを策定したのは、まずは我々自身が「りそなグループの存在意義」を明確にし、想いをひとつにする必要があると考えたからです。今は全ての従業員にパーパスを深く理解してもらうための大切な時期だと考え、まずはインナーブランディングを重視しています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

同質でリニアな成長が普通だった時代には、「ここを変えれば、こういう変化が起きる」というある程度の予測が可能でしたが、これからはそういうわけにはいきません。お客さまのニーズが多様化・高度化し、金融行動そのものが変わっていくなかで、我々が提供するソリューションもまた多様で、高度であるべきだと考えています。だからこそ、3万人の従業員がコアとなる価値観を共有しつつ、各自がお客さまに合わせてしなやかで柔軟な形で、お客さまのニーズを満たしていく必要があります。また、外部との共創を図るうえでも、自分たちの「コア」が明確であることは重要な要素の一つだと考えています。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

変化の時代に、イノベーションを起こし、お客さまに新たな価値を提供していく起点は言うまでもなく「人財」であり、パーパスの深い浸透はもとより、改めて人財投資そのものを加速させています。 
その一環として、グループのパーパスと従業員一人ひとりの価値観が交わるところを見出していくために、現在、マイパーパス・ワークショップを展開中です。人の意識は一朝一夕で変わるものではありませんが、まず、これから1年をかけてパーパスを「自分ごと化」する取り組みを加速し、それぞれの想いがマグマのようにフツフツと湧いてくるような状況を作り出したいと考えています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

りそな再生に向けてスタートした20年前から在籍している従業員は、今や全体の約2割ほどです。だからこそ、りそなグループがいま存在する意義と意味を改めて問い直すとともに、失くしてはならない大切なものを次世代に繋いでいくことが、我々経営陣の一つのミッションだと考えています。お客さまに最高のソリューションを提供するために、新たな価値を提供していくために、スピード感をもって、中計に掲げるCX(コーポレート・トランスフォーメーション)を成し遂げたいと決意しています。