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OMRON

井垣 勉 様
オムロン株式会社
執行役員常務
グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部長 兼サステナビリティ推進担当

Best Japan Brands 2024
ブランドリーダーズインタビュー

これまでにない変容を続ける環境の中で、ランクインしたリーディングカンパニーは今後の成長のためにどのようにその変化を捉え、対応しようとしているのか。各社のブランドリーダーが5つの質問に答えるインタビューシリーズ。

この1-2年を振り返ってみて、御社の事業やブランドにとってどのような年でしたでしょうか。

この1~2年は当社にとって大きな2つの変化があった年でした。 
一つめは、2022年にスタートした長期ビジョン「SF(Shaping the Future)2030」において、初めてサステナビリティ課題と事業戦略を完全に一体化したことです。この長期ビジョンから導き出しブランドの方向性として、サステナビリティ課題の解決に積極的にリーダーシップを発揮するブランドと定めています。 
もう一つの変化は、ビジネスモデルの転換です。日本最大の医療ビッグデータを持つJMDCの買収により、データ活用のケイパビリティを活かし、ヘルスケア領域だけでなく多様な事業領域で新たな価値を生み出していきます。 

組織や事業全体として (担当部門として)、対応する領域や範囲はどのように変わってきているでしょうか。

既存の4事業を中心に、「モノ売り」から、いかにソリューションを提供するかという「コト売り」への転換を目指しています。 
ヘルスケア事業で例えると、血圧計をたくさん売るという発想から、「高血圧に起因する疾病をいかに地球上からなくすか」という発想への転換です。同様に、他の事業でも課題からソリューションにつなげ、ビジネスモデルを拡大させていきます。 
このような事業の変革に伴い、ブランディング部門が対応する領域も、いま大きく変わろうとしており、コーポレートがリーダーシップをとることで、ブランドの「見られ方」を変えていく必要があると考えています。 

想定を越える社会や人々の変化に対して、事業として、ブランドとしてどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

オムロンには創業者・立石一真が1970年の国際未来学会で提唱した未来予測理論「SINIC(サイニック)理論」があります。この理論が指し示す次の10年の変化は、長期ビジョンのシナリオの前提にも織り込んでおり、弊社ではその変化を見通して、ビジネスモデルの変革と事業のトランスフォーメーションに取り組んでいます。 
コーポレートブランドについても、社員一人ひとりのWillとCreativityの解放を表す、「Sparks of Creation」をコンセプトに定めました。これから、ビジュアル・アイデンティティを構築し対外的なコミュニケーションを行うことで、ブランドの解像度をより高めていきます。 

社員の働き方や意識は、どのように変わったと感じているか。ワークライフバランス、効率性やエンゲージメント、社内コミュニケーションといった社内カルチャー、社員の価値観などに、どのような影響があり、それにどのように対応してきていらっしゃるでしょうか。

会社と社員の関係性は、以前の主従関係から、今はお互いに「選び、選ばれる」関係へと変わってきました。会社はジョブ型のプロフェッショナル人財を求め、社員はキャリアの向上や活躍の場、公正な評価を求めるようになっています。このような変化にともない、従来以上に、会社と社員の拠り所となるブランドの求心力がより重要になりますので、パーパス(企業理念)とビジョンをインターナルブランディングの最優先要素として、共感共鳴を広げる活動を続けています。 

パーパスや経営の理念、ビジョンなどの重要性が論じられていますが、それらを事業活動の中で、どのような形で活かしていらっしゃるでしょうか(実体化に向けてどのような取り組みをされているでしょうか)。

当社にとって企業理念とは、「事業を通じて社会的課題を解決したい」という社員一人ひとりの志や情熱を解き放つもの。つまり、求心力の原点であり、発展の原動力です。その考え方のもと、名誉顧問・会長による「企業理念ダイアログ」、社長による車座、企業理念実践事例をグローバル全社員で共有し称え合う「The OMRON Global Award (TOGA)」といった様々な取り組みを行っています。特に「TOGA」は、社内だけでなく、社外のビジネスパートナーやステークホルダーへの視聴を通じて共感・共鳴の輪を広げることで、新規事業の共創や新たなイノベーションの創出の機会に繋げています。